意外な国で、被災地の熊本を支援するチャリティコンサートが開催されている。それがタイだ。

 訪日外国人観光客が急速に増える日本。東南アジア各国から日本を訪れる外国人観光客の中でも、突出して多いのがタイからの訪問客だ。2015年には約80万人が日本を訪れている。

 タイの書店には日本のガイドブックが多数並び、首都バンコク市内と周辺には日系の格安航空会社H.I.Sが20店以上も店舗を構えて、訪日旅行を盛んに販売している。日本への旅行はタイ人にとって憧れであり、タイでは訪日ブームが真っ盛りだ。

 タイからの訪日客を取り込むため、日本の各都道府県も観光プロモーションに力を入れてきた。そんな中でも異色のプロモーションを仕掛けてきたのが熊本市だった。

 オール熊本ロケの日タイ合作映画の製作に全面協力。熊本の豊かな自然や名所、食材、暮らしの風景を、随所に散りばめられた作品が、公開された(詳細は「日タイ合作映画で九州にタイ人訪日観光客を誘致」)。

 映画は題名『Hand in the Glove』(邦題:「アリエル王子と監視人」)。日本の各地とタイで上映され注目を集めた。特に約1カ月間劇場公開されたバンコクでは、主演がタイの若手人気俳優で歌手のチャーノン・リクンスラガーン氏だったこともあり、大きな話題になった。映画を通じて、タイ人の間に熊本の魅力が伝わり、プロモーションは一定の成果を収めた。

 そして4月、熊本が地震の被害を受けた後、タイでは新たな動きが出てきている。