成毛:ダメな奴といっても、自衛隊は違うでしょう。観艦式や富士の総合火力演習に出かけていくたびに、立派な人ばかりだと感じますが。

伊藤:私が海上自衛隊に入隊したときには、自転車に乗れない奴、じゃんけんを知らない奴なんかがいましたよ。

成毛:あらまあ本当ですか。じゃあ、日本が徴兵制になったらどうなりますか?

伊藤:その点は、旧軍の方は大変だったと思います。徴兵したら大変です。肉体的にも精神的にも、これ以上向いていない奴はいないという人間も、集まるわけですから。

成毛:今、左側の人々は日本に徴兵制が復活したら大変だと言っていますが、自衛隊側にとっても、逆の意味で大変なんですね。

伊藤:教育、大変ですもん。自衛隊は少年院でも更生施設でもないのです。

自衛隊という別世界を経験することが自信に

成毛:新入社員研修として自衛隊の体験入隊をする企業もありますが。

伊藤:それは、やったらいいと思います。基本的にタダですし。

成毛:タダなんですか。

伊藤:負担するのは食費とかシーツ代くらいです。もし半年、1年といった長期間となると大変ですが、たとえば5日間1本勝負なら、受けた側はきちっとしたなという気分になれると思いますよ。左右の区別が付かない人間を、しっかり回れ右できるようにするなんていうのは、アメリカほどじゃありませんが、自衛隊は得意ですから。

成毛:僕が体験入隊をしろと言われたらちょっと無理だなと思いますが、でも、別世界を経験しておくことはいいことですよね。いきなり海外で市場を開拓せよと放り出されたビジネスパーソンは戸惑うでしょうが、自衛隊という別世界を経験したという自信があれば、なんとかなると思えるでしょう。ただ、それを望まない人まで長期に徴兵されてとなると、話は別ですね。

伊藤:もしも徴兵制が導入されれば、日本という国の底辺は持ち上がるかもしれませんが、自衛隊の戦力はガバーンと落ちるでしょう。ただそれでも、日本は他の国に比べるとまだいいのです。