VCは何社ほど訪ねたのですか。

岩佐:当時、日本にあったVCはほぼ全部回ったのではないでしょうか。VCは今より全然少なかったですが、80社くらいは回ったと思います。

VCからの紹介が信頼できる

ネットで調べて直接コンタクトを取られたのですか?

岩佐:いえ、ほとんどが知り合いを通じた紹介でした。VCの世界はとにかく狭いですから。VCと起業家をつなぐイベントに1回参加するとVC全体の半分くらいとは知り合えるんです。それで、残りの半分は知り合ったVCの人から紹介してもらいました。

 VCに相談をするときに「投資をご検討いただく際には、共同出資も視野に入れて、他の投資家もご紹介いただけないですか」とお願いしたのが後から考えると良かったですね。すると、VCの方は、自分が共同出資することになる相手なので慎重になって、信頼できるVCを紹介してくださるんです。結果的に、あまりいい噂を聞かないようなVCと出合わずにすみました。

VCのネットワークを介しての紹介が一番信頼できるというわけですね。創業期に資金調達をした経験から、起業家はVCについて最初にどれくらいの知識を持っておく必要があると思いますか。

岩佐:私は起業家が必ずしもVCの世界に詳しくなくてもいいと思っています。ただVCの世界にめちゃくちゃ詳しい人を仲間に引き込んでおくことは大事かもしれません。私の場合は、ベンチャー投資の第一人者である、グロービス・キャピタル・パートナーズ(東京・千代田)の高宮慎一氏には非常に助けてもらいました。投資には至らなかったのですが、私や当社の事業をとても気にかけてくださって。VCによって投資する業種やステージが決まっているので、あるVCと話して投資に至らなくても、喧嘩別れになるわけではなく、関係性を継続することはできます。そういう親身になってくれる方を見つけておくと、VCの評判などを相談しやすいと思います。

資金調達が実現したキーポイントは何だったとお考えですか?

岩佐:よいVCの担当者に出会えたことですね。09年に出資を受けたときには、VCの担当者の方が「俺自身として投資したいんだ」と、進んで動いてくれました。得てして資金調達は、VC対お金を引き出したいベンチャー企業という対決の構図になりがちですが、うまくいく場合は、VCの担当者が起業家や事業内容を気に入ってくれ、起業家側の立場でいろいろ考えてくれるケースが多い。そういう担当者とどう出会うかがカギだと思います。