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 考えてみてください。人の悩みの大半は、自分の力ではどうにもできないことです。例えば、消費税が上がるとします。「嫌だなあ」と思っても、自分で税率を変えられません。そうしたことで悩むのをやめたら、楽になります。

 では、頭の大部分を占めていた解決できない悩みが消えたら、その空いたスペースに何を入れ込むか。それは「今」です。過去でもない、未来でもない、今を生きる。今、一番取り組まなければならないことに力を注ぐのです。そうすれば、明日が変わる。明日が変われば、明後日も変わる。明日を変えずして、どうして5年後、10年後が変わるでしょうか。

 それでもやるべきことが20も30も出てきて、どこから手を付ければいいのか分からなくなるかもしれません。そこを整理し、優先順位を決め、「これが大事」というものに力を尽くしたら、きっと自分が思う自分に近付け、人生もビジネスも良い方向に進むと思います。ただし単に今を生きるだけでは駄目ですよ。一生懸命、生きないと。

髙田社長のトップ就任1年でV・ファーレン長崎はJ1に昇格したが、2019年はJ2からの再出発となる(写真=V・ファーレン長崎)

 「今を生きていますか」と聞くと、みなさん「今を生きている」と言います。そこに落とし穴があります。今を生きているつもりになっている場合も少なくないからです。「頑張っています」と言いながら、状況が10年全く変わっていなかったら、それは頑張っているつもりに過ぎないでしょう。つもりのままでは20年、30年たっても成果は出ない。同じところをぐるぐる回っていることになってしまいます。

 ジャパネット時代、何度紹介しても売れない商品がありました。そのときに、ハッと自分が伝えたつもりになっていたのに気付きました。「伝えた」と「伝わった」とは全くの別物。相手に伝わって初めて、商品を買ってもらえるのです。

「本当にできているか」と自問自答し続ける

 「私は十分できている」と思うのではなく、「果たして本当にできているか」と自問自答し続ける姿勢がないと、明日は変わらない。つもりほど怖いものはありません。今こそすぐに本気になりましょう。

 つもりではなく、頑張ると何がいいか。私の経験上、一番いいのは仲間が増えることです。一生懸命やっていると、同じ価値観の同じ熱を持った人が大勢集まってきます。そうして頑張ったから、従業員2、3人で始めたジャパネットも、今では従業員2000人を超える企業に成長できたと思っています。真摯さが伝われば、みんなが助けてくれる。お客様も支持してくれるようになるのです。