計画が曖昧なのです。

 幹部が示す計画が、あまりにぼんやりとしていて、部下にすると、どこからどう着手していいものか分からない。ゆえに実行されない。

 解決策は、計画を具体的にすることです。計画を立てた後、それが部下から見て、すぐに着手できるだけの具体性を備えているかを、チェックする。その習慣が幹部にあるといいと思います。

 すなわち、P(Plan:計画)の後に、C(Check:検証)を挟む。「P→C→DCA」という形に、PDCAサイクルを進化させるイメージです。

 そこで、計画の何をチェックするのか。
 私のお薦めは「3W1H+数字」です。誰が(Who)、いつまでに(When)、何を(What)、どのように(How)やるのかを、数字を入れて明文化し、部下に示す。これを幹部が実践するだけで、マネジメントが改善される中小企業は案外、多いと思います。

「腕の良さ」より「場所の良さ」

 さらに営業の場合は、ターゲットの設定も重要です。
 例えば、社長と約束した目標が、「前期比20%の売り上げアップ」だったとしましょう。その20%を、どこの市場からとってくるのか。ここをしっかり考えておかないと、部下がどんなに優秀でも苦戦しますし、絶妙な設定を思いつけば、部下のスキルがいま一つでも、成功体験を与えることができます。

 釣りの世界で「一に場所、二にオトリ、三四がなくて、五に腕」と言うそうです。営業は、それに似たところが多分にあります。

 こんなターゲット(Target)の問題も加味すると、営業の場合のPDCAは「T→PCDCA」となります。

 例えば、「神奈川県の小売企業をターゲットに営業するのが有望そうだ」と、判断したとします。これを「3W1H+数字」で具体化するのは、次のような感じです。

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