PDの後の、Cでつまずく。

 すなわち、計画(Plan)を実行(Do)するものの、検証(Check)がない。「やりっぱなし」ということです。検証がないとどうなるか。「PDPD……」の繰り返しです。同じような計画を同じようなやり方で繰り返すばかり。それでは失敗しても反省がなく、学びもありません。市場の変化にも対応できず、取り残されます。

 そんなケースは実際、多々あるでしょう。

 しかし、私の見るところ、多くの中小企業のPDCAは、もっと根本的なところでつまずいています。それは……。

 そもそも計画が、実行されない。

身も蓋もない中小企業の現実

 身も蓋もないような話ですが、私が見てきた現実です。私は新卒で入った都市銀行を経て、複数の中小企業で幹部を務め、中小企業向けのコンサルティングや研修を手掛けてきました。今年(2018年)からは縁あって、新潟の老舗ホテルの社長をしています。今は現場で、陣頭指揮をとる日々です。

 そんな経験の中で感じるのは、中小企業では「計画を立てて実行する」というだけでも、結構なエネルギーを要するということです。

 計画の実行なくして、やるべき仕事などあるのか。
 そんな疑問を覚える方もいるでしょう。
 しかし、半ばルーティンと化している日常業務をこなし、そこで生じるアクシデントなどに対応するだけでも、それなりに時間は過ぎていきます。人手が不足しがちな中小企業ほど、そんな目先の仕事に追われやすいものです。そうこうするうち、既存事業の稼ぎが細り、新しい付加価値を生めないまま、業績低迷に陥る、というわけです。

 

 このようなじり貧パターンに陥らないためにも、幹部がしっかり計画を立て、部下に実行させることが重要です。当たり前のことですが、「計画を実行する」という基礎力なくして、新しいことへのチャレンジは難しい。

 

 では、計画の実行を確実なものとするには、どうしたらいいのか。

 まず、多くの中小企業で、計画が実行されないのはなぜかを、考えてみましょう。私が思うに……。

著者の井東氏。中堅・中小企業の経営幹部向けのセミナーで講師を務める
著者の井東氏。中堅・中小企業の経営幹部向けのセミナーで講師を務める

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