自社に効く研修は何か。答えはなかなか見つからない。そうであれば、研修は社員の成長につながると信じて数を打つのも手だ。それを実践しているのが、物語コーポレーション。同社の研修とはどんなものか。

物語コーポレーションの社内の合言葉はなんと「おせっかい」。外食企業であれば、「おもてなし」や「ホスピタリティー」と考えがちだが、そうでないところにこの会社の面白さがある。
同僚や先輩、後輩のためによかれと思うなら躊躇(ちゅうちょ)なく、積極的にどんどん関わっていこうというもので、社員教育や研修体系にもその姿勢が貫かれている。
物語コーポレーションは1949年に創業。「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」などの飲食店を全国に展開する。早い段階から社員の育成に力を注ぎ、社員教育費に売上高の10%程度を使っていたという。
上の表は、社員の成長や働きがいを支える仕組みの一部を一覧にしたものだ。
2002年にスタートした、社内研修を一手に手掛ける専門部署「物語アカデミー」を中心に、人財開発部、人財応援部、営業部のほか、店長、経営陣が社員一人ひとりの成長のために寄ってたかって世話を焼く。
研修も予習と復習が大事
表を見れば分かるように、世話を焼く内容は非常にきめ細かく、広範にわたり多様な項目が網羅されている。階層別に必要な知識とスキルを習得できる、微に入り細を穿つ内容だ。
新入社員が入社3カ月後に受講する「クレーム対応研修」を例に紹介しよう。特徴は「事前課題と事後課題」という概念を取り入れていることだ。
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