こうした新たな仕組みを金融機関に提供し、自動車を乗りたい人がローンやリースを利用しやすくする。難関だったのが、厳しい与信管理を実施してきた金融機関との提携だが、インターネット専業の住信SBIネット銀行(東京・港)、自動車ローン大手の住友三井オートサービス(東京・新宿)などの金融機関との提携が実現している。

 2015年10月には、フィリピンのマカティ市と低所得者(BoP層)向けの車両提供サービス普及への覚え書きを交わすなど、フィリピンでサービスの実証実験を続けてきており、その実績が評価された形だ。

IoT×自動車制御で金融を変える

 日本では、自動車の売れ行きが落ち込み、若者の自動車離れが進んでいると言われて久しい。その一方で、「多くの人がローンやリースの審査に通らず、車を利用できない実態がある」とGMSの中島徳至(なかしまとくし)社長は話す。

 「一億総活躍社会というが、車が持てないために、仕事や働き方に制限が出てしまう人がたくさんいる。過去に電気代が払えなかったり、携帯電話を止められたりした経験があったとしても、現在は一生懸命働いているという人は多い。支払い能力はあるのにローン審査に通らない人が、車を利用して生活の質を上げられるようにしたいと考えた」(中島社長)

 中島社長は、会社勤務を経て電気自動車向けの部品製造会社を立ち上げ、国土交通大臣から電気自動車メーカーとしての認定も得た。同社を譲渡した後はその経験を生かし、船舶向け総合電機メーカー、渦潮電機(愛媛県今治市)の電気自動車部門トップとして、フィリピンで電気自動車製造プロジェクトに参画した。その後、2013年11月に設立したのがGMSだ。

 「現在の与信管理だけでは、自動車を利用できる層は広げられない。この飽和状態を破るには、IT(情報技術)だけでは解決できず、自動車の知識が必要。その両方を組み合わせられるのは自分しかいないという確信をもって、このビジネスに取り組んできた」と中島社長は語る。

 このMCCSを使った情報収集のプラットフォームは金融機関の利用だけに閉じているわけではない。オープンな仕様とし、保険会社や中古車販売店などもプラットフォームに接続できるように考えている。ローンやリース以外でも幅広い分野で自動車利用の敷居を下げることを目指している。