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 バスケットボールとサッカーに限らず、チームスポーツを中心に、ミクシィは今後もエンターテインメントパートナーという位置づけで、関わるスポーツを増やしていく予定だ。ミクシィが持つコミュニケーションサービスのノウハウでスポーツチームをさらにバリューアップさせていきたいと木村氏は考えている。

 

スポーツのプラットフォームを構想

 スポーツチームのエンターテインメントパートナーとは別に、ミクシィが構想しているのがスポーツを軸としたプラットフォームだ。

 例えば、中国では動画サイトを見たときに、視聴者が面白いと思ったら動画配信者に少額を支払うビジネスが特に伸びている。従来は、視聴者の多い動画には広告がついて、広告主が動画配信者に広告料などを支払うという流れが一般的だった。しかし、中国のモデルでは視聴者が動画配信者に直接お金を払うのだ。

 この仕組みを転用すれば、スポーツ観戦者が特定のスポーツ選手やチームを応援し、いいプレイに対してはお金を払う、つまりダイレクトスポンサードの仕組みをベースにしたプラットフォームができないかと木村氏は考えている。

 「日本ではスポーツをする人と見る人の間には複雑なビジネスロジックが横たわっており、現状では直接つなぐ方法はほとんどありません。

 今後、私たちが、アスリートとファンの直接的なつながりをつくることができれば、スポーツビジネスの流れは変わるのではないかと睨んでいます。個人からの応援は大きな金額ではなく、いいなと思った瞬間に選手やチームに対してスマホで簡単に支援できるイメージです」(木村氏)

ミクシィでは平日は毎日、朝会を開く。モンスターストライクにかかわるメンバーがワンフロアに集まり、意識を擦り合わせる(壇上の右側が木村氏)

 その応援金は、現役の選手に渡すのではなく、引退後に年金制のような形で少しずつ渡していく考えだという。スポーツ選手はビジネスパーソンの定年よりも若くして選手生命を終え、第二の人生を歩まなくてはならない。引退したらスポンサーだった企業も離れてしまう。それらの課題を解決できる仕組みにすることが狙いだ。

 「このプラットフォームにより、見るという体験の質をもっと良くしていきたい」と木村氏は考えている。