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 「18年のサッカーワールドカップが盛り上がったように、スポーツ観戦はみんなでワイワイ楽しむコミュニケーション体験です。ひとりで見るよりもみんなで応援したほうが、共時性、共感性が圧倒的に高まります。ITが発達すればするほど、リアルのコミュニケーションの価値はどんどん上がるはずです。実際、対面で生まれる消費についてはモンストで多くの知見を得ましたし、ビジネスとしてすごくインパクトがあるのだということを実感しました。スポーツのようにみんなで集まる理由になるものを、コミュニケーションの視点で設計することで、これまでとは全然違うマーケットが生まれるのではないでしょうか。スポーツの見方や観戦体験を大きく変えることができるはずです」(木村氏)

 

スポーツチームのエンターテインメントパートナーになる

 コミュニケーションを中心にスポーツビジネスをデザインしていくことが、ミクシィ流なのだ。まずは、17年7月にBリーグ所属のプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」とパートナーシップ契約を締結し、スポーツ事業の第一歩を踏み出した。

2018年のBリーグ開幕戦ではモンストのキャラクターも登場(タスキを掛けている人物が木村氏)

 Bリーグに注目した理由を、木村氏は次のように語る。

 「Bリーグは16年9月に開幕したばかりで、これから伸びていくことが期待されるスポーツです。新興プロスポーツであるがゆえに、自由度が高い。また、アリーナスポーツのため演出がしやすく、チームの選手が少ないので、極端に大きな投資は不要です」(木村氏)

 数あるバスケットボールチームの中でも、千葉ジェッツふなばしを選んだ理由は、「何より強いから」だという。17年の天皇杯で優勝し、17~18年の観客動員数はリーグ1位で年間15万5895人(30試合)を記録している。

 「また、千葉ジェッツふなばしの島田慎二社長は非常に魅力的です。島田さんはもともとスポーツ業界の方ではありません。外部からスポーツ界に入って、新しい風を起こそうとしているところに共感しました。スポーツをショーアップされたエンターテインメントとしてのプロスポーツに昇華していくことを目指されているので、島田さんとタッグを組むことができれば、きっと面白いことができるはずです」と木村氏は新たな展開に意欲を見せている。

 18年10月に開催されたBリーグの開幕試合ではミクシィのエンターテインメントブランドである「XFLAG(エックスフラッグ)」が冠スポンサーを務めた。開幕戦には立ち見客も含めて5000人が来場し、超満員となった。

 18年2月からはJリーグのFC東京ともスポンサー契約し、サッカーの領域にも参入した。

 「サッカーは最もレバレッジが効きやすい領域です。世界の市場も大きく、日本人の体格でも十分チャンスがあります。

 FC東京に関しては、純粋な民間企業として関係を強化することで、チームをもっと応援できるのではないかと思います。FC東京の大金直樹社長はサッカーに対する理想に燃えていて、すごく熱い方です。日本のサッカーを一層良くしていくことを本気で考えて実践されているので、これからタッグを組んで盛り上げていきます。また、オリンピック後に東京・渋谷にサッカースタジアムが建設される構想がニュースで報道されています。そんな夢のある未来については、渋谷にかかわらず『都心にスタジアムができたならなんて素敵だろう』と、大金社長と語り合っています」(木村氏)