女性の優遇ではなく会社の発展と全社員の幸せのため
こうした勤務制度の背景には、「宮崎県で女性が働きやすい会社ナンバーワンを目指す!」という考え方がありました。
この考え方は、同社の基本方針の1つである、「夢や目標を持ち、それに向かって成長していく人間力のあるスタッフを育成します」に結びついています。
「夢や目標」は、仕事上のものだけとは限りません。伴侶を得、子どもをもうけ、かけがえのない家庭を築くこともまた、夢であり目標です。
それに向かって成長できるよう、支援する方策がハッピーシフト制度です。
また、この基本方針は、「私たちは、みんなとともに未来を考え、物心両面の豊かな生活を実現します」という経営理念から生まれたものです。
ハッピーシフト制度が「女性を応援するための制度」という視点にとどまらず、会社の経営理念に沿った取り組みとして誕生したことに注目してください。
「女性活用が叫ばれているから、女性のためを考えて、育休制度をつくった」というだけでは、社員からは「女性優遇のためだけの制度」であるととらえられてしまいます。
それでは、育休を取れない社員から不満が生まれてくるのも無理はありません。
会社の発展、ひいては全社員の幸せをかなえるために必要不可欠なものなのだということを、導入段階から全社員が理解できるようにしなくてはなりません。
「この制度は、会社の発展とみんなの幸せにどう貢献するのか?」
社員のそんな疑問を自らすぐに解消できるように、「ビジョン実現シート」をいつでも手元に置いてもらうことが必要なのです。
(この記事は書籍『なぜか女性が辞めない小さな会社の人事評価の仕組み』をもとに再編集しました。編集:加古川群司)
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