会議で「何でも意見を言ってくれ」と言いながら、実際に部下が発言すると「おまえの言っていることは話にならん」とことごとく一蹴するというタイプは典型です。このタイプの経営者は「社員が自分の意見を率直に発言する」という望ましい行動に対して、誤った壁をつくっていることを正しく自覚しなければなりません。

成果の責任はマネジャー

壁を立てたつもりでも甘かったり、間違った場所につくったりという失敗も経験しつつ、マネジャーは正しい壁のつくり方を覚えていくのでしょうね。

山北:部下が望ましい行動をしたら褒めるなど、行動をきちんと承認するようにしましょう。重要なのは、成果が出るかどうかの責任は部下にはなく、マネジャーの責任だということ。

 「行動しているけれど成果が出ていないじゃないか」と言い始めると、部下は行動をやめます。部下が行動しているのに成果が出ないのは、そもそも行動ルールが間違っているからです。それを改めるのはマネジャーの役割です。

参考資料:『結果を出すリーダーほど動かない』(山北陽平著、フォレスト出版)
参考資料:『結果を出すリーダーほど動かない』(山北陽平著、フォレスト出版)

 私は、人の能力なんてそんなに差はないと思います。特にビジネスの世界ではそう。ただ、どの方向にどれくらいの力を注ぐかによって、成果が全然違う。

 中には、何とかして行動せずに済ませられないかということに多大な力を発揮する人もいます。実にもったいない。社員一人ひとりの能力を生かしきるためにも、成果を出すための正しい行動マネジメントの仕方を知ってほしい。

 正しい行動をすれば、高い成果が得られると分かると、社員は納得し、自分で考えて行動しようとします。行動が変われば価値観が変わり、その価値観によって、望ましい行動をすることが当たり前になるのです。

(この記事は「日経トップリーダー」10月号の記事を再編集したものです)

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