今回訪問するイスラエルには、同社と同じ医療画像AIの分野で事業を展開するゼブラ・メディカル・ビジョンという企業がある。

「優秀なエンジニアが集まり、医療機関とパートナーシップを結び、米国ではなくイスラエルの企業が世界で一番資金調達している。その動向をぜひ押さえておきたい。競合ともいえるかもしれないが、医療画像AIは、まだまだこれからの市場。ともに市場や文化をつくる共創の相手として、同社とつながりをつくれたらと考えている。

 今後の展開は、海外での販路開拓と研究開発。医療画像は、経験の有無によって診断に差が出てしまったり、画像は大量に増えているのに対し、医師の数は横ばいだったり、そんな世界共通の課題を解決できるソリューションを提供していきたい」(島原氏)

 昨年、同プログラムに選出されたABEJA(東京・港)のCOO兼CFO外木直樹氏は、当時アジア展開を狙っていた。17年2月にシンガポールを訪問し、仮説検証して4月には現地法人を設立した。

 「このプログラムに参加したことで、会社設立までの期間をかなり短縮できた。また、シンガポールだけでなく、マレーシアやタイなど、ASEAN諸国の情勢を知り、ビジネスチャンスを検討できた。今回もしっかり準備して臨みたい。

 飛躍プログラムは、日本の代表として訪問できることに価値がある。もちろん誰に会いたいのか、そこで何を吸収したいのか、行く側の意欲が最も大事。それさえあれば、強力なバックアップを得られる」と成果を振り返る。

 ABEJAはAIの技術を活用し、店舗向けに顧客の動きを分析したデータを提供する。アジアに続いて米国へのビジネス展開を狙い、今回の派遣先にはシリコンバレーを選んだ。

 「IoTやAIなど、新しい産業が盛り上がっている今の時代にビジネスができることに幸せを感じている。今はそこに注力しつつ、その領域にとどまらずに、トライアンドエラーを繰り返しながら、世界を舞台に、産業構造を変革できるような企業に成長していきたい」と外木氏は語る。

シンガポールに派遣される主な企業 概要
アクアシステム 携帯型顕微鏡のASEANハブ拠点の確立
あっと 毛細血管解析システム
カウリス クラウド型不正アクセス検知サービス
高度な顔認証・サーバー処理技術を活用した写真閲覧・販売サービス
フェーズワンジャパン 高解像レンズの販売
リンクウィズ 産業用ロボット向けトータルソリューションサービス
Kyash かんたんに使用できる無料送金アプリ
QDレーザ 網膜走査型レーザーアイウェア

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