「動画ならいつでもどこでも先輩社員の一挙手一投足を繰り返し見られる。言葉や文字では表現できない動きも動画なら一目瞭然で、習得スピードは劇的に向上した」(中屋敷社長)という。
手本のほか、自分の映像を繰り返し見たり、メンバー同士で手本の映像とどこが違うかをアドバイスし合ったりすることも効果が大きい。
動画を使ったトレーニングで、新人はみるみる上達していく。無理だと思っていたことができると達成感がある。もっとうまくなろうというモチベーションがわく。仲間がいることで自然と競争意識も生まれる。まさにいいこと尽くめの研修といっていい。入社3年目の藤木翔希さんは、10月21~24日まで開催されていた「技能五輪」に出場し、銀メダルを獲得するほど腕を上げている。
移動中でも学習できる
不動産管理を手掛けるランドトラスト(千葉市)の小守智社長は、社内マニュアルに動画を積極的に取り入れている。
小守社長自ら、不動産取引に関する基礎知識や新しい会社の方針などを解説し、それを社員がタブレット端末で録画する。作成した動画は、社員がネット経由で社外からいつでも見られる場所に置いている。営業社員は移動中にも動画マニュアルを見られるので、効率的に学習できる。
次の動画(提供:ランドトラスト)は、同社の営業担当者(奥側)が取引先である不動産業者にリース契約の解約について説明しているところだ。営業担当者が説明すべき項目は何か、どのくらいの速さで話すと相手に伝わりやすいかなどのポイントがよく分かる。
ランドトラストでは、社員研修などの際に、電話営業や訪問営業のロールプレイングを実施。それをすべて録画し、優秀な社員が話している動画は全社員が手本として見られるようにしている。
動画のほうが成果が出ると気づき、中途採用の社員が営業に配属になったときの教育もロールプレイングの動画中心に切り替えた。
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