──企業経営で、社員の幸福感に影響を与える構成要素の一つとして、人事評価・賃金制度があります。この点について、塚越さんと青野さんは、それぞれどのような考えを持っていますか。
青野:御社は、年功序列型の賃金制度だとお聞きしています。年齢を重ねるにつれて給料が増えたほうが、社員は末広がりで幸せな人生を送ることができる。その発想が前提にあるからでしょうか。
塚越:役職の有無や人事評価で多少上下することはありますが、基本は年功序列型です。人事評価は人によって結果が違う場合がある。上司の部下に対する好き嫌いの要素が絡みがちです。それでは部下がかわいそうだから、不公平感が少ないようにしました。
ただし、誰が見ても優秀な社員は評価したり、抜てきしたりします。一方で、人によって意見が分かれる社員は、年上のほうが給料を高くしてもいいのではないかと。子供の教育にお金がかかるケースなどがあるので、年齢が上の人がお金を多く取っていい、という設計にしています。

青野:抜てきする場合はあるんですね。
塚越:今後本格化すると思います。誰が見ても優秀な場合には。それに従来、ほぼ右肩上がりだった給与曲線を最近は変えています。50歳を超えた人は、賃金が増えるカーブを緩やかにしました。どうしても、加齢とともに能力が伸びなくなる人がいますから。
不公平感を防ぐため人事評価をやめた
青野:サイボウズでも、実は同じ悩みがありました。人事評価は見る人によって異なります。そこで、多少乱暴なのですが、自分たちで人事評価するのをやめました。
どうしたかというと、市場価値で評価する。特にプログラマーの場合、転職市場の相場をチェックしていると、持っている技術によって、大体どれだけ報酬を払えばいいかが分かります。
今はプログラマーの数が足りないので、うちの報酬は上振れしていますね。技術力がある人は、より高くなる。サイボウズより高い報酬を提示する会社があれば、彼らが転職するリスクがあるので極力、市場価値に従います。
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