(3分後)解決策を5つ考案できたら、相手にそのアイデアを説明して、フィードバックをもらいます。まずAさんが書いたアイデアをBさんに見せながら、「こういうふうに私は問題を設定し、こう解決しようと思いました」と説明してください。説明を受けたBさんは、いいか、悪いか、何を直してほしいかなど、率直な感想を言ってください。そのフィードバックをAさんは手元のワークシートにメモしてください。4分後にAさんとBさんの役割を交代して、同じ作業をします(互いにフィードバックを開始)。

(8分後)フィードバックが出てきたと思いますので、それを反映させた解決策を考えてみましょう。メモしたフィードバックの内容を基に相手の求める財布を再設計し、3分ほどで1つの絵にまとめてください。これがプロトタイプをつくる設計図になります(各自プロトタイプになる絵を描き始める)。

時間を掛けすぎると良くない?

(3分後)では、ここからは、ごく簡単なプロトタイプを作っていきましょう。机にある色紙やシール、はさみやのりなどを使って理想の財布を10分で作ってみてください。短く感じるかもしれませんが、時間を掛けないのには理由があります。

 1つは時間的なロスを省くこと。プロトタイプはあくまでプロトタイプです。相手に意見を聞いて、再度修正する可能性が高いので、簡単につくってすぐ壊せるようにしないと、時間ばかり掛かってしまいます。2つ目は愛着が湧くことへの防止です。時間を掛けて作り込みすぎると愛着がわいてしまう。すると、いざ相手のもとで試験的に使ってもらって意見を求めたとき、素直に受け入れられなくなる恐れがあります。思い入れが強くて正当化してしまうのです。これでは正確な意見が製品に反映できない。だから短い時間で取り組むのです(各自財布のプロトタイプ作りに取り組む)。

色紙やシールなどを使って、10分でプロトタイプを簡単に仕上げる
色紙やシールなどを使って、10分でプロトタイプを簡単に仕上げる

(10分後)それではAさんがBさんにプロトタイプを渡してください。そして、どんな点を重視して作ったのか特徴を説明してください。プロトタイプを受け取ったBさんは、率直な感想をAさんに伝えてください。面白い点や改善点などのフィードバックを受けたAさんは、手元のワークシートにプラス面と改善点をそれぞれ記載してください。これを4分で実施し、時間が来たら役割を交代してください(各自がプロトタイプを相手に説明し、フィードバックをもらう)。

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