(8分後)それでは問題定義に移ります。ヒアリングした内容を基に、2つの視点で相手の問題を捉え直してみましょう。1つ目は概要把握。いろいろと聞いた中で「相手がしたかったことは何なのか?」。つまり、相手のニーズを動詞で表現してみましょう。例えば、「この人は究極の機能性を財布に求めている」「この人はおしゃれにこだわり、財布を持っていることでセレブ(リティ)気分を味わいたいと考えている」といった具合です。

 2つ目は、インサイト(洞察)です。話を聞いた中で、相手がまだ自覚していないであろう本音、気持ちを汲み取って推察してください。例えば、「財布のカード入れにカードが整然と並んでいないと気が済まない」という人がいたら、「すごく几帳面な人」と推察する、家族の写真を財布に入れていたら、「この人は相手との関係を重視する」といった具合です。財布から見えてくるその人の性格や特徴をイメージしてください。以上2点について、3分で手元のワークシートに記入してください(中小企業経営者が記載を開始)。

本当の“困り事”を解決するための問題定義

(3分後)では、問題定義に移ります。ワークシートを見てください。「~さんは~する方法が必要だった。驚いたことに~だったから」という3つの空欄がある文章があると思います。この1つ目の空欄には、相手の名前を記入してください。2つ目の「財布を通して~をする必要があった」「驚いたことに、~だったから」は、それぞれ先ほど整理した、ニーズとインサイトに沿って改めて整理したものを記載します。

 一例を挙げると、「Aさんはお金を極力触らずに支払いをする方法が必要だった。なぜなら、ものすごく潔癖症でお金に触れたくないから」などです。こういう財布を作ったら、相手がもっとハッピーになるのではないかとイメージして、3分で書いてください(中小企業経営者がワークシートに記載)。

体験学習で使用したワークシートの一部。このワークシートはDスクールに許可を得て、アイリーニ・マネジメント・スクール・デザイン思考センターが邦訳している

(3分後)次に創造の段階に移ります。本来はチームで取り組んだりするのですが今日は体験学習なので個々人でアイデアを考えてもらいます。「Aさんは~の方法が必要だった。なぜなら~だからだ。驚いたことに~だったから」という問題定義文をもう一度見ながら、それを解決する財布を5つ絵で描いてください。突拍子もない発想をすることがポイントです。解説文を少し足しても構いませんが、なるべく絵で表現してください。5分でやってみましょう(各自記入)。