9月8日から始まるリオデジャネイロ・パラリンピックの卓球競技に、日本代表として大学4年生の選手が出場する。オリンピックに比べ、まだまだ支援が足りないと言われるパラリンピック。同選手にサポートを申し出た中小企業経営者の思いとは。
リオデジャネイロ・パラリンピックの卓球競技が9月8日に始まる。出場選手の一人、早稲田大学4年生の岩渕幸洋選手(21歳)の壮行会が、6月21日、東京・日本橋で開催された。壮行会には社員や大学関係者、岩渕選手の家族ら100人以上が参加し、選手とラリーをしたり、記念撮影をしたりと、盛大な催しとなった。

壮行会を主宰したのは、ユニフォームの企画・製造・販売を手掛けるセブンユニフォーム。同社は1952年に創業し、2代目の本島得二社長が率いる年商50億円超の企業だ。
ただし、同社がパラリンピック選手のユニフォームを制作しているわけではない。岩渕選手のスポンサーになると決めたのは、本島社長が、早稲田大学卓球部OBの知人から次のような話を聞いたことがきっかけだった。
同部には、リオのパラリンピックに出場が決まった選手がいる。ところが、オリンピック選手とは違い、支援が十分ではないため経済的な負担が大きい。パラリンピックの予選大会が続いた2015年は、ヨーロッパやアジアで7回の国際大会に参加したが、遠征費はすべて自己負担だった。その選手は学生なので、宅配業を営む両親のお金で選手生活を続けている……。
パラリンピック選手の多くが、ユニフォーム、道具、遠征費などを個人で負担しているという。社会人として働き、費用を捻出しながら選手生活を続ける人も多い。中には両立できずに試合の参加を断念する人もいる。海外選手のように競技生活に専念できる環境からはほど遠いのが現状だという。
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