社員の成長が会社の成長

 社員の雇用を守るためには、会社は収益を上げ続けなければならない。「厳しい競争の中で生き残っていくためには、社員が成長し続けることが大前提。会社の成長は人の成長によってつくり出されるからだ」(近藤会長)。

 成長には本人の努力が欠かせない。そこで、難しい仕事を与えたり、新しいチャレンジをさせたりする。「今まで『こんなことをやってみたい』と言って駄目出しをされたことはない。むしろ『どんどんやって。予算を付けるよ』と言われる」とシステム機器部の小野寺毅師氏は話す。

社内の人間から「ああしろ」と指示されたことがありません(小野寺氏)

 日本レーザーでは社員1人につき年間百数十万円の教育費をかけているという。受講料が約100万円かかる外部セミナーに派遣したり、近藤会長自ら講師となって社員研修を実施したりする。

 これに加えて、毎年2割以上の社員を海外の展示会や研修に送り出す。出張するのは営業や技術の社員だけではない。直接的な業務はなく、出張の必要がない事務の社員にも機会を与えている。

 しかし、優しいだけではそれを享受するだけの社員が出てこないとも限らない。会社が求めるのは、権限の大きさに見合う働き方だ。

 そこで生涯雇用や成長のサポートを約束する代わり、徹底的な実力主義を導入している。親会社から独立を果たし、社員全員が株主になった時点で、近藤会長はやってもやらなくても給与が変わらない日本的経営を改めた。

家族的経営と成果主義

 掲げるのは「家族的経営」と「成果主義」を融合させた「進化した日本的経営」だ。公平とは言えない家族手当や住宅手当を廃止。能力や成果で給与に差を付ける人事制度を取り入れた。

 その1つが、TOEICの受検義務付けだ。海外との取引では英語が必須のため、点数に応じて手当が変動。月額最大2万5000円を支給する。基本的に、毎年の受検がルールで、500点に満たない社員は原則昇給、昇格はない。

 毎月、社内報に貸借対照表や損益計算書など会社の業績データも掲載している。さらに受注高と粗利については、事業部門別、グループ別、個人別の業績順位も公開。誰がどれだけ稼いでいるかが一目瞭然だ。

担当者別粗利累計グラフ。社内報に毎月、個人の売り上げを掲載する

 10年ほど前から公開しているが、社員から不満の声が上がることはないという。「公開されて嫌だと思ったことはない。むしろ来月は頑張ろうと、モチベーションが湧く」(鎌田氏)。