他人の意見は「関係ない」

 ただし、全くの新規事業を始める場合、既成概念にとらわれた周囲は反対しがち。その状況を突破する力がトップには求められる。

 実際、新規の温浴事業にのめり込む高橋に対し、周囲の目は冷たかった。「なぜ本業と関連性の薄い温浴事業に注力するのか」「本業に集中すべき」などと指摘を受けた。それでも、新規事業を推し進めたときの思いを高橋はこう語る。

 「DPE事業が衰退すれば、経営危機に陥るのが明白な以上、他人の意見より自分を信じて進むと決めていた。新規事業への着手を恐れるのではなく、事業を始めた後に改善を徹底するほうが極めて大切だ」

 結果的にこの高橋の決断が会社を救った。日本ジャンボーの子会社として温浴事業を始めた万葉倶楽部は、小田原や横浜みなとみらいなど着実に拠点数を増やした。

 一方、DPE事業の日本ジャンボーは次第に勢いを失った。09年、ジャスダック市場に上場していた株式を経営陣が買い取って非上場化。現在は「親子逆転」の形で万葉倶楽部の子会社となっている。

 温浴事業の拡大で、万葉倶楽部グループの業績は順調だ。17年9月期の売上高は約221億円、経常利益約20億円を確保している。

 客観的な市場分析力と、ここぞというときの決断力が高橋にあったからこそ、傍からは無謀にも見えた温浴事業への挑戦は軌道に乗った。(文中敬称略)

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