携帯電話販売なら、パレットプラザの店舗スタッフという人的資源も有効活用できる。

 もともと接客業であるため、売る商材が変わるだけ。顧客との接し方をスタッフはわきまえている。しかも、スタッフが携帯電話での写真の上手な撮り方を顧客にアドバイスするといった付加価値も提供できる。

 結果的にこの判断が立て直しのきっかけとなる。

 07年の販売開始当初は、パレットプラザの一角で販売していたため、顧客の認知度が低く、一向に売れなかった。だが、2010年代に入ってスマホが普及すると、状況は一気にプラスに転じる。12年から不採算のパレットプラザをスマホショップに全面改装したところ、販売数が急増した。

既存店は、スマホショップや、写真データをマグカップやTシャツに印刷するサービスなどを提供する「フォト&モア」に順次改装。現在、店舗数はスマホショップ98店、フォト&モア456店(未改装の185店を含む)。2018年3月期売上高は約221億円。写真は2012年から本格出店したスマホショップ(左)、「フォト&モア」で事業の幅を広げている(右)

 写真事業の伸び悩みを(スマホショップ運営による)モバイル事業の利益で補う状態になった、という。

 また、本業で培った基盤技術やノウハウを生かすには、時代に即した新たな機能を加えるという方法もある。この方法に大島が気付いたことが、写真事業における新サービスの離陸につながった。

 スマホで大量の写真を撮ってデータで保有するのが当たり前になった現在、従来の印画紙にプリントするという需要だけを見れば、減る一方だ。

 ところが、写真データを印画紙以外のものに印刷すれば、使い方の幅は広がるのではないか。大島は発想を切り替えた。

写真データを生かしきる

 例えば、子供の写真データを印刷したTシャツやマグカップを親から頼まれて作る。地域のスポーツチームから、自分たちでデザインしたロゴの画像データを受け取り、そのロゴを刺繍したユニホームをそろえる、といった具合だ。

 この発想に基づき、ここ5年余りで既存のパレットプラザなどを「フォト&モア」というブランドに順次変更。写真データを多様なものに加工するサービスを提供できる店を増やしている。