多能工化で休みやすく
7カ条の最後の項目にある「共有化」とは互いに教え合い、多能工化を目指すことを意味する。
一般に、ベテランのパートは若手に厳しく当たりがち。群協製作所では、教え合うことを高く評価するため、若手が先輩に相談しやすい。冒頭で紹介したパートが語るように、パートが辞めるきっかけになりやすい「職場の人間関係」の改善にも評価制度が効果を上げる。
また、互いに教え合うことは、「休みの取りやすさ」も改善する。
技術や電話営業のコツは共有し、取引先ごとの受注履歴も社内システムで参照できる。このため、パートは周囲に気兼ねせず休める。
パートから正社員になった電話営業の大塚恵子さんは「3、4日続けて休みが取れるので、旅行などにも行きやすい。余暇が充実すると、また頑張ろうという気持ちになる」と話す。
残業が月平均0.7時間程度と短いことも特色だ。子育てや介護で勤務時間が限られるパートにも居心地がよい職場になる。
まれに「今日はあと2時間残業しないと終わらない」という状況になった場合は、仕事の進め方を全面的に見直す。生産の遅さが原因なら設備を更新し、業務量の増加が理由ならその事業が成長する兆しと見て、先行投資としてパートの追加採用を検討する。
群協製作所の例が示す通り、社長の考え方次第で、パートのモチベーションはぐっと高まる。今すぐ、あなたの会社でも見直しを始めてはいかがだろうか。
(この記事は「日経トップリーダー」4月号に掲載した「シリーズ 打倒! 人手不足(1)パートはどこでやる気になる?」を再編集したものです)
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