「教える」と高く評価

群協製作所の遠山社長(写真:新関雅士)

 成長シートによる評価の特徴として、最高評価の5点を取るには、技術や知識などを「他の人にも教えている」ことが必要な点がある。この評価により、新たな技術や知識を覚えたパートは、それを進んで周囲に教えるようになる。

 この成長シートや時給テーブルのフォーマットは社内の食堂に置き、いつでも見られるようにしている。このため、社員は、遠山社長が自分たちをどのような基準で評価しているかがよく分かる。

 遠山社長が評価の基準を明らかにしているので、「同じ仕事をしているのに、どうしてあの人は私より時給が高いのか」といった不満をパートが持つことを防げる。

 遠山社長は、この成長シートを面談にも用いる。「お客様との話し方がうまくなりました。もう少し頑張ると会話力は4になります」などと褒めて成長を促す。成長の基準が明確になっているので、成長点数が1つ上がるごとに「頑張りましたね」と褒められる。仕事を覚え始めた段階から、上達するまで何度も褒める機会を設け、パートのやる気を高く維持し続けている。

会議中も社員の様子を見る

 褒めるきっかけを逃さないよう、各パートの働きぶりに細かく目を配る。遠山社長の自席と打ち合わせスペースは、同じフロアにいる社員やパートの席を見渡せる場所に設けている(記事冒頭の写真)。椅子がない立ち席で、仕事中も職場の様子が目に入るようにしている。

 パートは、社長が自分たちを気にかけていることを実感し、さらに頑張ろうと意識する。

 この群協製作所も、以前はパート3人を採用すると2人が辞めるような状態だった。パートが辞めてしまうと、遠山社長自ら電話に出たり、部品加工をしたりしていた。しかし、それを続けていてはいつまでも新規営業ができず会社が伸びないと気づき、「パートが定着するには、自分が変わるしかない」(遠山社長)と発想を転換。評価制度などの仕組みを整えた。2012年には、それまでの経験を基に、自分への戒めとして「パートの雇用方針7カ条」を作成した。定期的に見返し、パートが働きやすい会社であり続けているかを確認する。

群協製作所の「パートの雇用方針7カ条」
  1. 使い捨ての固定観念を捨てよ。パートが辞める一番の原因
  2. 子供優先。仕事は2番
  3. (パートを)ほったらかしにしない
  4. 自主性を重んじる。休みも自主的に取る
  5. 残業は経営者の責任と心得る。残業するような仕事は取ってこないこと
  6. 目標はすぐそこ。正社員を目指せ
  7. パートの可能性を信じよう。1人の知識より10人の共有化