女性社員が電話営業の要
ノズルの受注に大きな役割を果たすのが、多くのパートを含む女性社員による電話営業だ。
営業では、まず遠山昇社長や弟の雄彦専務がレーザー加工機のある工場をネット検索で探し、飛び込み訪問する。
その後、実際の注文を取るのが電話営業の女性社員だ。社長らが訪れた企業に電話し「社長がお渡ししたサンプルの具合はいかがですか。よろしければ、見積もりはいかがでしょうか」などとフォローをかけ、受注の獲得につなげている。

訪問先の社長や工場長は男性が多い。女性が電話するほうが受けがよく、話を聞いてもらいやすいという。遠山社長はパートを含む女性社員に対し「無理に営業しなくていい。相手と仲良くなり、自慢話をしてもらえるくらいの関係になることがまず重要だ」と教えている。親しくなれば、ノズルの寿命が来る頃に「そろそろいかがですか」と電話すると、大抵は受注ができるという。
遠山社長は「自社の売り上げを実際に確保しているのは電話営業の女性社員だ」と目を細める。パートは正社員と分け隔てなく働く。そして、優秀なパートは、積極的に正社員にしている。
成長の目標を「見える化」する
この遠山社長が導入しているパートの成長を可視化する仕組みが、松本式人事評価の特徴である「成長シート」だ。
社内には職種に応じてこうした成長シートが数種類あり、図に示した電話営業用は正社員、パートとも内容は共通だ。電話営業の担当者が備えるべき15の要素について、理想的な状態を5点満点とする5段階で成長度を評価する。
重要な要素はウエートを高め、成長シート全体で「成長点数」が100点になるように調整している。その成長点数で評価し、S、A、B、C、Dのランクに分ける。これを時給テーブルに当てはめ、時給に連動させている。
15の要素のうち、「売り上げ」といった「成果」を評価するのは全体の1割。成果の実現に必要な「重要業務」「知識・技術」「勤務態度」の成長を主に評価する。
例えば、「重要業務」の「電話作業」では「とても効率的に電話活動ができている」が4点、「その効率的な電話法を周囲に教えられている」と5点になる。
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