玉塚:彼らは地道な作業を重ねて不具合を潰している。センスが高く、非常に優秀な人も大勢います。彼らが蓄積してきた技術やノウハウをゲーム以外の領域に展開すれば価値が大きく高まる可能性がある。

 IT人材の供給源にもなれると考えています。現在、IT人材が各社で不足する一方、定職に就かない人の中には、ITと親和性が高い人がたくさんいる。ハーツの既存のテスターに加えて、こうした人たちに登録してもらって、うちで教育し、IT業界に人材を供給できるプラットフォーム(基盤)をつくろうと考えています。

玉塚さんがハーツの社長として果たす役割をどのように捉えていますか。

玉塚:第二創業の担い手でしょうね。さらなる成長に向けて、社員の意識や組織体制を大きく変える。プロパー(生え抜きの社員)だけでなく、外部の人材も引き入れてカルチャー(企業文化)を変える化学変化、混乱を意図的に起こす。そのための界面活性剤としての役割を果たしています。

企業成長の3倍ルール

 僕がユニクロにいたとき、社長の柳井(正)さんから学んだことの中に「企業成長の3倍ルール」がある。売上高100億円が300億円、300億円が1000億円弱になるといった具合に、企業の売上高が3倍に拡大する過程で、ビジネスモデルやカルチャー、組織形態などを変える必要があるというものです。

 (現ファミリーマート社長の)澤田貴司さんや僕が入った1997、98年のユニクロが、まさにそんな時期でした。製造委託先の契約工場が多過ぎたり、価格戦略が曖昧だったり、広告宣伝がうまくいっていなかったり。売上高1000億円から3000億円に伸ばすため、こうした課題をゼロベースで見直し、他店にもあるTシャツを390円で売っていた店をSPA(製造小売り)に変えていきました。

 今期売上高180億円を見込むハーツも似た状況です。CTO(最高技術責任者)など外から僕が招いた幹部とプロパーが混然一体となって白熱した議論をしながら、ビジネスモデルや組織を再構築しています。

次ページ 昔は能力や視野が足りなかった