ユニクロを経営するファーストリテイリングでは柳井正社長(当時)、ローソンでは新浪剛史社長(同)の薫陶を受け、後にそれぞれで社長を任された玉塚元一氏。2017年にローソンを離れて間もなく、IT(情報技術)関連のハーツユナイテッドグループの社長に就任した。名経営者から学び、自らの社長経験も豊富な玉塚氏が考えるいい会社とは何かを尋ねた。

玉塚元一(たまつか・げんいち)氏
1962年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、旭硝子、日本IBMを経て、98年ファーストリテイリング入社、2002年社長。05年に退任し、澤田貴司氏と事業再生会社リヴァンプを設立し代表取締役に。10年ローソン入社、14年社長、16年会長。17年5月に退任し、同年6月からハーツ社長に就任(写真:菊池一郎、以下同)

ローソンの社長退任の翌月にハーツユナイテッドグループの社長に就任しました。なぜハーツを選んだのですか。

玉塚:ユニクロ(ファーストリテイリング)やローソンなどで社長を務めた経験が評価されて、ありがたいことに流通や外食産業などの企業からも社長を頼まれていました。でも、全く新しい領域でチャレンジしたいという気持ちが僕の中で勝ったんです。

 ハーツは、ゲームなどのソフトウェアの不具合をチェックするサービスが主力の会社です。創業者で会長の宮澤栄一さんに会って事業内容を聞いているうちに、売上高は200億円に達していない企業だけれど、大きな成長のポテンシャルを秘めた会社だと思うようになりました。

IT人材の供給源となる

具体的にはハーツのどの部分に将来性を感じたのでしょうか。

玉塚:ソフトの不具合検査というのは、IoT(モノのインターネット)時代に不可欠なサービスなんですよ。今後、デジタルデバイスが増えて、それらが次々にネットワークでつながると、スムーズに動くかどうかといった不具合のチェックが当然必要になる。ものすごいニーズが眠っているんです。

 人材のポテンシャルもあります。日本のゲーム開発会社はクオリティーの高さなどで世界中でリスペクトされている。各ゲームがスムーズに動く裏には、黒子役としてハーツのテスターと呼ばれる約8000人の登録メンバーの存在があるんです。