4人で創業した町工場を世界一のモーターメーカーに育てた日本電産会長兼社長CEO(最高経営責任者)、永守重信氏。

 「一番以外は皆、ビリ」と言い切る強烈な個性は異彩を放つ。徒手空拳でいかにして大企業に駆け上がったのか。

 人づくり、事業拡大、コスト削減……。停滞の時代に学ぶべき経営がそこにある。「炎の永守語録」をもとに、その真髄を見ていく。

質問 社員がやる気を出してくれず悩んでいます。怠けているわけではないのですが、燃える感じは全く見られません。どうすれば、士気を高められるでしょうか?

永守語録 「物事が実現するか否かは、まずそれをやろうとする人ができると信じることから始まる。自らできると信じたときにその仕事の半分は終了している」

※永守氏の言葉は『日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方』(日経BP社)より。
永守重信氏(写真:小倉正嗣)

 「何より大事なのは『ハンズオン』『マイクロマネジメント』『任せて任さず』や」。最近、永守社長は組織を強くするために、自身を含む幹部・管理職がすべきこととして、こう言い続けている。

 ハンズオンとは、永守社長をはじめ、幹部が常に現場に行って自ら改善活動をすること。そのうえで、徹底してきめ細かいチェックをするのがマイクロマネジメント。任せて任さずは上司が部下に権限委譲しながらも放任せず、支援・管理し続けるということだ。

 つまり、社長、幹部、管理職が現場と一体となって絶えず改善を続けていく経営。その土台として永守社長が最も重視するのが、社員の士気の高さである。

 「『何としても利益を上げる』という強い意識。これがあれば社員は自らコスト削減に知恵を絞り、実行するようになる。自ら取り組むのだから継続もする。だから士気の向上ほど大事なものはない」