一日の大半は立ち歩いており、お客との面会時間も、最長30分に設定している。
 瀬戸社長に密着取材すると、立ち止まることなく、テンポ良くどんどん仕事が前に進んでいくのが分かる。

会議は20分で終了

 会議の進行も速い。

 この日は、ライザップで減量に成功した人を表彰する大がかりなイベントの内容について、担当者が社長に説明するための会議が行われた。

 会議の進行に滞りがないよう、出席者は事前に動画の再生チェックを入念に行う。瀬戸社長が、機材の設定に時間がかかるのを嫌うからだ。

 開始予定時間を15分ほど過ぎて瀬戸社長が会議室に入室。担当者はA4判の紙を3枚ほど閉じた資料を渡し、すぐに本題に入った。

 「OK、OK、どんどん行って」
 「分かった、いいんじゃないかな」

重厚な内装の部屋で行われた会議だが、議論に堅苦しさは感じられない
重厚な内装の部屋で行われた会議だが、議論に堅苦しさは感じられない

 説明を受ける瀬戸社長は、合間に相づちを打つ程度。時折意見を挟むが、自身が話し続けることはない。

 まだ詳細が決まっていない点については、担当者に「また後で教えて」と言い残して会議は20分ほどで終了した。

 この日はほかに場所がなかったので、会議に来客用の部屋を使ったが、瀬戸社長が参加する会議は基本、オープンスペースで行う。

 会議室に集まって議論をすると、どうしても〝よそ行き〟の意見しか出ない。社員から本音が出ず、そのために仕事が間違った方向に進んでしまう可能性もある。それは時間の無駄にほかならない。そんな事態を避けたいのだ。

 社長に用事がある社員は、社内を歩いている社長に直接、声をかける。事前に社長のスケジュールを押さえたり、会議室を予約したりする手間も時間も必要ない。

 瀬戸社長が社内を立ち歩くのも、会議を打ち合わせスペースで開くのも、社員から率直な意見をリアルタイムで聞いて正しく会社を導き、最短の時間で目標を達成したいとの考えがあるからだ。

 「正しく会社を認識することがとても大事。そのために、正しい情報を吸い上げる。そして、素早く意思決定する」

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