:当社は社員を3つのカテゴリーに分けて採用しています。世界各国で仕事をするグローバル人材、特定の国でじっくり仕事をするナショナル人材、そして工場などでコツコツと1つの作業を極めるローカル人材。どれも重要な役割です。

 面接では、その人がどのカテゴリーの仕事に向いているのか、適性を見極めています。

社長を目指して入社

諏訪:森さんは3代目ですが、次期社長についてはどのようにお考えですか?

:私たちのグループはドイツと日本に会社があります。ドイツでは現地の40~45歳くらいの社員が組織を牽引しています。彼らが60歳くらいになるまでこのまま頑張ってくれるでしょう。

 日本では、今35~40歳くらいの優秀な人材をビシビシ鍛えているところです。例えば私が60歳まで社長をするとして、その後、65歳までの間にグループ全体の会長になるでしょう。その時に日本で次の社長を選ぶとしたら、今育成している35~40歳の社員の中の誰かだと思っています。

諏訪:この先の計画がきちんとあるんですね。

:今、45歳以上の社員は、私が社長に就任する前からいるので、私は直接は採用していません。彼らは次期社長には同族がなるのだろうと思って入社しています。

 しかし、私が採用した35~40歳の社員たちには、「あなたも社長になる可能性がある」と伝えています。例え1万分の1の確率であっても、社長になる可能性があると考える人材が集まっていないと、組織は強くなりません。「ナンバー2でいいや」と思って働いている人の中からナンバー1を選ぶのは無理ですから。

諏訪:確かにそれによって働く時のモチベーションが全然違いますよね。面接の時から伝えているのですか?

:もちろん話します。それで会社全体が良い緊張感、競争意識に満ちています。

諏訪:素晴らしいですね。森さんは3代目でありながら、常に攻めていますよね。私も、守りは後退だと思うので、攻める姿勢が大事だと思います。後継者は先代の苦労を見ているので難しいことだと思いますが。森さんが攻めの姿勢を続けられる理由は何なのでしょうか?

:うーん。まずは、よく食べてよく寝る(笑)。そして、元気のある人と会うことですね。自分が使える時間は限られていますから。

諏訪:確かに(笑)。私も森さんに元気を頂きました。

(構成/尾越まり恵。この記事は「日経トップリーダー」2016年8月号と9月号に掲載したものを再構成したものです。役職や数字などは当時のまま掲載しています)