同社の場合、この時点で早くも、どの学生がどの学生とウマが合いそうかまで見ている。次の選考などで、その学生同士を同じグループにするためだ。「今の学生は、面接などで居合わせたほかの学生をとてもよく見ている。内定者に価値観が合う仲間がいるというだけで志望度はぐっと上がる」(芹澤課長)。

「先輩社員の本音が聞けてよかった」と話す入社2年目、大工工事部の栗林さん(写真/廣瀬貴礼)

 一方で、二次面接は希望職種の管理職が担当する。選考全体について学生から意見を聞くと、「面接されている」というよりは自分の人生観や職業観を確認できたという感想が多いという。

 秋元社長自身は直接、学生を面接しない。面接後に選考の対象者全員に1時間程度話をしたり、質疑応答をしたりする。自分の価値観を示して、学生の反応をうかがう。そこで自社に適した人材かどうか、採用担当者と擦り合わせる。

手加減なしのガチンコインターンシップ

 平成建設では学生に自分たちの会社をよく知ってもらう機会として、インターンシップにも力を注いでいる。

 インターンシップで体験できる職種は大工、営業、設計、デザインなど5つ。日程は1日、2日、1週間の3コースがある。

 毎年、150人ほどの応募があるものの、参加できるのは25~30人。採用担当者が応募者全員に電話で話を聞き、本気度の高い学生に優先して参加してもらう。最終的に内定者の2、3割をインターンシップ経験者が占める。

 最大のポイントは、インターンシップ用の特別なプログラムを用意していないこと。いきなり実際の建築現場に入れるのだ。大工であれば、朝早く会社に来て準備するところから始まる。現場で作業をして夕方に戻ったら会社の風呂に入り、社員食堂でご飯を食べ、宿舎に帰る。入社後の日常を味わってもらうわけだ。

インターンシップ用のプログラムは用意しない。実際の建築現場で作業をする

 学生に取り組んでもらうのは練習ではない。れっきとした仕事だから、現場で指示を出す先輩職人にしてみたら少しも気を抜けないうえ、作業時の安全も確保しなければならない。それでも「いずれ自分の後輩になるかもしれない人材のため」と気持ちよく引き受けてくれるという。