基本の休憩時間は正午12時から45分、午後2時45分から15分だが、自己申告で好きなときに休んでいい

 「やってみて問題が起きたら、また元に戻せばいい」。武藤氏はそう強調する。「一度始めたら何が何でも続けないと駄目だと考える人が多いが、そんなふうには一切思わない。僕自身、毎日数時間だが工場で作業をしている。みんなと日々一緒に作業して、現場のことを熟知しているので、実情に即した改革ができているつもり」。

管理しても成功しない

 「自由にすると人間は好き勝手にやるのでは」と悪く考える人は多い。かつての武藤氏もそうだった。石巻時代は工場に監視カメラを付けていたほど。でも「今考えれば、逆効果。自分たちのことを信用していないリーダーの下で頑張ろうと思うはずがない」。

 現在、パートは働きやすさに魅力を感じ、長く仕事を続けてくれている。「子育てをしている人なら、子供が急に熱を出したとき『明日は仕事に行かなくちゃ』と思いながら看病するのと、『子供の具合が良くなったら行けばいい』と思って世話をするのでは全く違うと思う。きっと子供にもゆとりを持って接することができるはず。そういう良さをみんなが実感してくれているのでは」。

 武藤氏が目指すのは、みんなが居心地のいい場所だ。「『居心地を良くするくらいでいいの?』と言われるが、できている会社のほうが少ない。だから僕らは今それを目指して頑張っている。みんなが気持ちよく働くことができ、来るのが苦痛に感じない会社になればそれでいい」。       

(この記事は、「日経トップリーダー」2018年1月号の特集を再構成したものです)