海外研修や海外旅行にこだわるのは、海外を知ることで日本を再発見させる狙いもある。

 国際的な評価が高い小山社長だが、意外にも海外での修行経験がない。

 「驚かれることが多いが、日本で修行していても本場の文化を学ぶ方法はいくらでもある。日本ならではの素材や技術を磨き、自分自身の子供の頃からの味覚体験をひも解き、一つひとつの仕事を丁寧に突き詰めていけば、世界に通用する独創的なものづくりは十分できる。外の世界を見ることで本質的なものは身近なところにあることに気付いてほしい」

海外を見ることで日本の良さを再認識

 海外を見ることで日本の良さに改めて気付き、その特長を引き出せるような人材に育ってほしいという小山社長の親心が見て取れる。

小山 進(こやま・すすむ)
1964年、京都生まれ。83年に「スイス菓子ハイジ」に入社。本店シェフパティシエ、商品開発部長などを歴任。2000年に独立し、パティシエ エス コヤマを設立。コンサルティング業務を経て、03年に兵庫県三田市に洋菓子店を出した(写真:宮田昌彦)

 会社として社員の成長を期待し、惜しみなく投資する。こうした小山社長の姿勢は「人を育てるのに近道はない。だから腰をすえて取り組む」という覚悟が伝わってくる。

(この記事は「日経トップリーダー」2013年9月号の内容を再編集しました)

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