また米国の混合モード燃費は27マイル/ガロン(11.48km/L)と、現行車より35%向上しているという(2輪駆動仕様同士の比較)。6気筒エンジンから4気筒エンジンに置き換えることで、エンジンの質量も約18kg軽くなっている。通常、6気筒エンジンを4気筒エンジンに置き換えると振動・騒音の悪化が問題になるが、VCターボは回転バランスがいいので、V6エンジンに近い振動・騒音特性を備えている。可変圧縮比化に伴うコストアップも、V6エンジンの代替ということであれば吸収しやすい。

 ただ、今回の発表で気になる点もあった。というのは、現行型QX50が「スカイライン」(米国ではInfiniti Q50)などと同じ後輪駆動のプラットフォームをベースとしているのに対して、新型QX50は前輪駆動のプラットフォームに変更されていることだ。

 このコラムの第68回でも触れたように筆者はこのVCターボエンジンで、現在スカイラインに搭載されているはドイツDaimler製の2.0Lターボエンジンを置き換えることを期待していた。しかし、実用化されるのが前輪駆動用エンジンということになると、後輪駆動用に仕立てるには排気系など大幅な変更が必要になる。それだけのコストをかけてまで、スカイラインにこのVCターボエンジンを搭載しようということになるのかどうか。その行方は先送りとなった。

自動車線変更と手放し運転の行方は?

 エンジン関連の話題以外では、自動運転関連の技術が2018年にどう進化するかが注目点だ。筆者が興味を持っているのは、国内で「自動車線変更」と「手放し運転」が実用化されるかどうかである。まず自動車線変更の技術では、2018年に実用化するという方針を日産自動車が以前から発表している。

 現在各社が実用化している自動運転機能としては、国内メーカーでいえば、日産自動車の「プロパイロット」、スバルの「アイサイトver.3」などがある。ただしこれらの機能はいずれも単一車線を走行する際のハンドル、アクセル、ブレーキの操作を自動化したもので、自動車線変更の機能は備えていない。従って、自車両の前方に遅い先行車両がいても、現在は自動的に追い越すことはできない。また、システムの動作中はハンドルに手を添えていることが求められており「手放し運転」は許されていない。

 海外メーカーでは独ダイムラーや米テスラなどが「自動車線変更」の機能を既に実用化している。ただし、こうした自動車線変更の機能は、人間がウインカーを操作すると、車線変更をするためのハンドル操作をクルマがやってくれるというものだ。移ろうとする車線に後方から近づいてくるクルマがないかどうか、車載センサーによってシステムが安全を確認してはくれるものの、基本的には人間が安全を確認したうえでウインカーを操作することが前提になっている。つまり車線変更の「操作」は自動化されていても、車線変更するかどうかの「判断」は自動化されていないのが現状である。

 また、テスラの自動運転機能「オートパイロット」の場合、以前のバージョンではかなりの長時間手放し運転が許容されていたが、それでは危険だということで、最近のバージョンアップでは手放し運転が許容されなくなった。

 じつは国連では、まさにこの自動車線変更と手放し運転(連続自動操舵)をどういう条件なら認めるか、その基準について議論しているところだ。ややこしいのだが、自動車線変更でも2種類が議論されており、1つ目は「遅い先行車両がいるとクルマが人間に車線変更の許可を求め、人間がスイッチ操作などで許可の意思表示をするとクルマが車線変更を実行する」というもの。もう1つが「遅い先行車両がいるとクルマ自身の判断によって自動的に車線変更する」というものだ。