筆者などは、せっかくEVなのだから、もっと独自性の強いデザインを採用したらいいのに、とか相変わらず思ってしまうのだが、個性が強くない、ということは嫌われにくいということでもあるわけで、ここでも今回のリーフの「面を狙う」という戦略が徹底していることを感じる。

徹底したコスト削減でお買い得に

 新型リーフは、その価格でも「面を狙う」という戦略が徹底している。新型リーフは従来型(初代)と同様に、「S」「X」「G」という三つのグレードから構成されているのだが、初代の価格は、電池容量30kWhの大容量仕様(ほかに24kWhの仕様もあった)で、それぞれ319万7800円、364万8240円、401万8680円だった。これに対して、新型リーフは電池容量を全車種40kWhにアップしているにもかかわらず、価格はそれぞれ315万360円、351万3240円、399万600円と、Sグレードでは4万円強、売れ筋のXグレードでは13万円強も値下げしているのだ。

 最も高いGグレードは2万円弱の値下げにとどまるように見えるが、じつは高速道路での単一車線における自動運転機能「プロパイロット」を標準で装備する。プロパイロットはすでに「セレナ」や「エクストレイル」にも搭載されているがオプション装備で、価格は他の先進装備とのセットで約14万~24万円に設定されている。プロパイロットの機能だけを取り出した価格は分からないものの、Gグレードにおいても、実質10万円以上の値下げになっているのは間違いない。EVで最大の難点とされる航続距離を、従来の280km(JC08モード、30kWhの仕様)から400km(同、新型)へと大幅に延ばしながらこれだけの値下げをするというのは買い得感がある。

 これだけの値下げの「原資」を確保するために、新型リーフでは徹底的なコスト削減策を講じられている。まず、7年ぶりの全面改良であるにもかかわらず、プラットフォームは初代からの流用で、ホイールベースは2700mm、フロントのトレッドも1540mmと共通だ。リアのトレッドのみ、先代の1535mmから新型1555mmへと20mm拡大している。ちなみに新型の外形寸法は、全長4580×全幅1790×全高1540mmで、それぞれ先代よりも35mm長く、20mm幅広く、10mm低くなっている。

 また、ちょっと驚かされるのが、先代から4枚のドアも流用していることだ。さすがに外板のみはデザイン変更に合わせて新しくなっているが、サイドウインドーや内装材の形状などは先代と共通だ。またインストルメントパネルもデザインは新しいが、スイッチや空調の吹き出し口などの基本的なレイアウトは従来型と共通で、細かいスイッチ類などは、例えばエアコンの操作スイッチや、シフトレバー(実際には変速するわけではなくパーキング、ドライブ、リバースなどの切り替えレバー)も流用している。

新型リーフはエアコンの操作スイッチなどを初代から流用した
新型リーフはエアコンの操作スイッチなどを初代から流用した

 パワートレーンでも、先代とモーター本体は共通なのだが、モーターを駆動するインバーターを改良して、モーターの出力を従来の80kWから、新型では110kWへと大幅にアップしている。

印象的な乗り心地

 では、いつものように走り出してみよう。まず印象的なのは良好な乗り心地だ。リーフは、車格でいえば、トヨタ自動車「プリウス」やマツダ「アクセラ」、スバル「インプレッサ」などと同じCセグメントに属する車種になる(プラットフォームはBプラットフォームベースだけれど)。しかしその乗り心地は、国産車では体験したことのないレベルのものだった。新型リーフは先代よりもダンパーの減衰力を10%下げているということだが、その効果か一般道でちょっと荒れた路面を走ったときとか、あるいは高速道路で路面の継ぎ目を通過した場合でも、シートを通じて伝わってくる衝撃は軟らかい。一方で、減衰力不足ということもなく、車体に伝わった衝撃はすっと収まる。これは、車体のねじり剛性を従来型よりも15%高めている効果もあるのだろう。

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