斬新すぎるデザインを避けたつもりが…

 ただ、あまりにも現在のクルマとかけ離れたデザインにすると、一般消費者に受け入れられないかもしれないという懸念から、初代リーフではあえて「斬新過ぎるデザインは避けた」と当時のデザイン担当者はコメントしていた。それに、EV専用車種とはいうものの、コストを抑えるために初代リーフはエンジン車の「Bプラットフォーム」と部品の共通化を図っており、実際問題としてもi-MiEVのようにボンネットのないデザインにするのは難しかっただろう。加えて、製造面を考えても、他の車種と同じラインで流すことを考えれば、エンジンを組み付ける工程をモーターを組み付ける工程に変えるだけで済むような車体構造にすることは、ある意味必然だったと思われる。

 いずれにしても日産としては恐らく、初代リーフをそれほど斬新なデザインにしたつもりはなかったはずだ。だから消費者のネガティブな反応は、予想外のものだっただろう。デザインのせいだけではないだろうが、実際に初代リーフの生産・販売台数は日産の想定よりも大幅に少ないものだった。

 こうした反省の下、2017年10月に約7年ぶりに全面改良して発売した新型リーフについて「点ではなく、面を狙っていく」と前出の日産関係者は話していた。つまり、一部の環境意識の高いユーザーだけでなく、普通のユーザーから普通に選んでもらえる車種にして、初代リーフよりも販売台数を大幅に上積みすることが、新型リーフの主要命題だった。その意思はまず新型リーフのデザインから強く伝わってくる。

素直に格好いいと思ってもらえるデザインに

 新型リーフのフロントデザインは、「V字型」を強く強調する最近の日産車と共通するもので、初代リーフの、ちょっとユーモラスなヘッドランプ形状は一変して、強い「目ヂカラ」を感じさせるものになった。テールランプも、「フェアレディZ」や「ジューク」といった車種に共通するブーメラン型の形状になってスポーティさを強調している。確かに、新型リーフのデザインを見て素直に「格好いい」と思う人の比率は従来のリーフに比べて多いだろう。反面、EVらしいデザインか? といわれれば、そういう独自性はあまりない。

 そういう印象がさらに強くなるのはインテリアのデザインである。上下2段に分けたデジタルメーターや、外観デザインに合わせた軟らかい独自形状のステアリング、白を基調にした内装色など、初代リーフはEVの独自性を表現しようという部分が随所に見られた。これに対して新型リーフの内装デザインは、EVの独自性というよりも、最近の日産車で共通のデザイン要素を盛り込んだものとなっており、リーフ独自の個性には乏しい。

新型リーフのインパネ(上)と初代リーフのインパネ(写真:日産自動車)
新型リーフのインパネ(上)と初代リーフのインパネ(写真:日産自動車)

 最近の日産車のインパネは、カーナビの画面を中心にして、その両側に、翼を広げたようにパネルの形状が左右に向かって上昇していく「グライディング・ウイング」というデザインを基調にしており、新型リーフもこのモチーフを採用している。例えば、この特徴は欧州では2016年秋から発売している新型マイクラ(日本名マーチ、国内未発売)のインパネなどとも共通で、ついでにいうと、新型マイクラと新型リーフでは、ステアリング形状も同じだ。

次ページ 徹底したコスト削減でお買い得に