ルロワ副社長は、全固体電池が「ゲームチェンジャー」となりうる技術だと位置付けたうえで、トヨタが全固体電池に関する特許出願件数において世界トップであること、そして200人を超える技術者を抱え、2020年代前半の実用化を目指していることを表明したのである。トヨタが開発中の技術について、その実用化時期や開発の陣容を明らかにするのは極めて異例であり、トヨタが決してEVの開発で遅れていないことを強くアピールする狙いがあったのは明白だ。

日産はリードを守れるか

 ホンダ、トヨタに比べると、すでに7年前に世界で最初の量産EVである「リーフ」を発売し、今回のモーターショー直前に2代目となる新型「リーフ」を発売した日産自動車は、プレスデーの2日間、ブースのほとんどを新型リーフで埋め尽くし「EVで先行する日産」を印象付けた。

 筆者が注目したのは、このショーで日産が公開したコンセプトカー「IMx」である。このコンセプトカーにはルノー・日産・三菱グループが2020年から商品化する次世代のEV商品群に採用される新開発のEVプラットフォームを採用しているからだ。

日産の「IMx」コンセプトの室内。新プラットフォームで凸凹のないフラットな床を実現した。
日産の「IMx」コンセプトの室内。新プラットフォームで凸凹のないフラットな床を実現した。

 日産はすでに、9月に発表したルノー・日産・三菱グループの新6カ年経営計画「アライアンス2022」の中で、2020年から新開発の共通プラットフォームを採用したEVを発売するとともに、2022年までに同プラットフォームを使う車種をグループで12車種に拡大して、EVの70%を共通プラットフォームベースにすることを明らかにしている。さらに同年までにEVの航続距離600km(欧州モード)を達成し、バッテリーコストを2016年比30%削減(2016年比)、さらには2022年までに15分の急速充電で走行可能な距離を2016年の90kmから230kmに拡大(欧州モード)することを目標に掲げている。

 会場の説明員によれば、今回展示したコンセプトカーは2022年の目標を先取りして航続距離600kmを想定する。前後にモーターを搭載した4輪駆動車で、合計の最高出力は320kW・最大トルクは700N・mというガソリンエンジンなら排気量6.0Lクラス以上の高い値を実現しており、動力性能も相当に高い。また室内を見ると、これだけの航続距離を可能にする大容量バッテリーを搭載しながら床は低くフラットだ。新プラットフォームは、Bセグメントの上級車種からDセグメントまでという幅広い車種をカバーすることを狙っており、相当柔軟性のある設計になっているようだ。

 ここまで、トヨタ、日産、ホンダという日本の3大メーカーのEV化の動きを中心に今回のモーターショーを見てきたが、現在のところは、2022年までに幅広い車種でEVを展開する計画を進める日産が、トヨタ、ホンダを一歩リードしているように見える。しかし、今回のモーターショーを見ると、トヨタ、ホンダの急速に舵をEVの方向に切っているという印象を受けた。向こう5年で、トヨタ、ホンダがその差を縮めるのか、あるいは日産が先行し続けるのか、ここからが正念場かもしれない。

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 9月30日(金)19時からの第1回のテーマは「2035年、世界の新車6割がEVに 日本が『後進国』にならない条件」。10月14日(金)19時からの第2回のテーマは「欧州電池スタートアップのCTOが現地報告、巨大市場争奪の最前線」です。各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。


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