回生を強めたのは、回収する電力を増やして航続距離を伸ばすのが主目的だったが、このモードで運転すると、アクセルだけで加減速ができるので、この機能を拡大して、アクセルペダルだけでクルマを停止までできるようにしたら面白いのではないかという発想が生まれた。ノートe-POWERでは、減速度だけでなく、加速度の強さも調節でき、加速度の強さと減速度の強さの組み合わせによって設定した四つの走行モードを、好みや走行シーンによって選ぶことができる。

小型化・低コスト化に苦労

 開発で苦労したのは、先ほども触れたように、ノートの車体サイズに収まるシステムの小型化と低コスト化である。まずモーターは、基本的にEVのリーフから流用することで、開発投資と設備投資が不要になり、コスト削減に大きく貢献した。一方のバッテリーについては、調達先を変えたのがコスト削減に寄与したようだ。

 日産はこれまで、EVやHEVに使うバッテリーを、日産とNECグループの合弁会社であるオートモーティブエナジーサプライ(AESC)から調達してきたが、今回のノートe-POWERは、パナソニックから調達していると見られている。このバッテリーの調達先について、日産自身は口をつぐんでいるのだが、AESCについては他社に売却する方針も報道で伝えられており、バッテリーのコスト削減のために、日産が調達方針を従来から大きく見直しているのは確かだ。

 一方のシステムの小型化だが、コンパクトなノートのエンジンルームにモーターやインバーターを詰め込んだために、ボンネットを開けるとかなりぎっしりと詰め込まれた印象を受ける。また、競合他社に比べて大容量のバッテリーは、居住空間や荷室に影響を与えないように、前席の下に配置している。そのままだと前席の着座位置が高くなってしまうので、これをエンジン車と変わらないようにするため、シート自体を変更しているようだ。

大容量のバッテリーを前席下に配置した

 前席の下にバッテリーがあるため、後席の乗員からみると前席下への足入れ性は低下しているのだが、ノートはもともと後席の足許空間が広いので、それほど気にならない。

 最後に、ごく短時間だが試乗した印象をお届けしよう。まず発進加速の力強さと静粛性は、確かに従来のこのクラスのクルマでは得られないものだ。特筆できるのは、なかなかエンジンがかからないこと。従来のこのクラスのHEVでは、発進してから、割とすぐエンジンがかかるのだが、ノートe-POWERでは、大容量のバッテリーを積んでいるせいか、しばらく走ってもエンジンがかかる様子がない。