日産自動車が11月2日に部分改良して発売した「ノート」に追加された新車種「ノート e-POWER」

 前回のこのコラムに続いて日産ネタになってしまうが、8月に発売した新型「セレナ」に続き、日産自動車にとって待望の新型車が11月2日に登場した。大幅に部分改良された「ノート」に追加された新車種「ノート e-POWER」がそれだ。e-POWERとは聞き慣れない名称だが、要は、やっと日産に200万円以下という売れ筋価格帯のハイブリッド車(HEV)が登場したということなのだ。

 しかし日産は、「ハイブリッド」という名称を避け、「e-POWER」という新しいパワートレーンが登場したということを強調している。なぜ日産はハイブリッドという呼び方を避けたのだろうか?

 すでに日産は「フーガ」や「スカイライン」「エクストレイル」に独自開発の「1モーター・2クラッチ」方式のHEVを設定しているし、スターターモーターとジェネレーター(発電機)を一体化したISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)という小型のモーターと小型のバッテリーを組み合わせた簡易なハイブリッドシステム「S-HYBRID」を「セレナ」に搭載している。

 しかし、ハイブリッド車の発売が後発であることや、販売価格200万円前後の売れ筋価格帯のHEVがないことなどから、日産はこれまでHEV市場で存在感を示せていなかった。そこで今回、日産は商品化で先行するEV(電気自動車)のイメージを生かし、e-POWERをハイブリッドではなく「電気自動車のまったく新しいカタチ」(日産)として訴求することにした。

駆動力はモーターだけで生み出す

 従来のハイブリッドシステムは、エンジンとモーターを協調させ、エンジンの効率の低い領域では、モーターを積極的に活用することで燃費を向上させていた。これに対し、e-POWERの最大の特徴は、電動化をさらに進めて、EVと同様に駆動力をモーターだけで生み出す点にある。エンジンは搭載しているが、これは発電にしか使わない。

電気自動車(EV)、従来のハイブリッド車(HEV)、e-POWERの比較。e-POWERはEVと同様にモーターだけで駆動力を生み出すのが特徴