外観から見たEQの特徴は、フロントグリルが物理的なグリルではなく、LEDによるバーチャルなグリルになっていることだろう。こういう特徴は量産型のEQにも受け継がれそうだ。また、これはすでに量産車でもそうなっているのだが、インストルメントパネルも、1枚の横長の液晶パネルに、速度表示やナビゲーションなど、必要な情報がすべて表示される仕組みになっている。

 搭載するリチウムイオンバッテリーは、子会社の独ACCUMOTIVEが製造するもので、電池容量は70kWh以上と、日産自動車のEV「リーフ」の2倍以上だ。またダイムラーは、車両だけでなく、家庭で太陽電池で発電した電力を貯蔵するシステムや、電力を非接触で車両に充電する装置なども合わせて開発している。同時にダイムラーは、欧州で普及している充電規格の「コンバインド・チャージング・システム」(いわゆるコンボ式)の改良にも取り組んでいて、これが実現すると、100km走行分の電力を5分で充電できるようになる。

500km以上走れるアンペラE

 VWやダイムラーが、新たなブランドを立ち上げてEVを本格展開しようとしているのに対し、オペルやルノーは、航続距離を大幅に伸ばした量産EVを発表した。オペルが発表したのは、新型EVの「アンペラE」で、親会社の米ゼネラル・モーターズ(GM)がすでに発表しているEV「ボルト」の欧州仕様となる。2017年の前半に発売する予定で、500km以上という長い航続距離を可能としたのが特徴だ。今回のショーでは、各社のEVがマラソン競争をして、他社のEVが続々と脱落する中、アンペラEが最も長く走行できることをアピールする刺激的な映像を流していた。

オペルが出展した新型EV「アンペラE」
オペルが出展した新型EV「アンペラE」

 500kmの航続距離は、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)という、欧州で燃費や排ガスを測定する場合の走行パターンで測定したもので、搭載しているバッテリーの容量は60kWhと、日産リーフの航続距離が長い仕様のさらに2倍という大きなものだ。発表では「ロンドンからパリまで(417km)を充電なしに走れる」ことをアピールしていた。

 アンペラEは、これだけの大容量の電池を客室の床下に搭載するのだが、これで室内が犠牲になっていることはなく、コンパクトな車体の中に、大人4人が十分に乗れるスペースを確保している。これには、やや全高の高いSUVのような外観を採用したことも寄与している。

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