BMWはEV高級セダンのコンセプト

 ドイツ勢としてはいち早くコンパクトEVの「i3」の市販を2013年に開始しているBMWは、スポーティな高級4ドアセダン(同社は4ドア・グラン・クーペと呼ぶ)のEVコンセプトカー「BMW i Vision Dynamics」を出展した。航続距離は600km、0-100km/hの加速時間は4秒、最高速度は200km/hに達する。EVの商品化で先駆者であることを自負する同社はこのショーで、2025年までに25モデルの電動化車両を商品化することを発表した。このうち12モデルがEVだという。

BMWが出展した高級4ドアセダンのEVコンセプトカー「BMW i Vision Dynamics」。現在のBMWセダンとは異なるデザイン要素を採用した

 同社によれば、i Vision Dynamicsは同社のコア・バリューである運動性能とエレガントさを電動化モビリティと融合することを目指したモデルだという。デザイン上の特徴としては、BMW車であることを象徴するキドニー(腎臓)グリルをモチーフにした造形のフロントグリルを採用しながらも、グリルの形状は従来のBMW車とはかなり異なっており、センターピラーを強調するウエストラインなど、これまでのBMWセダンとは異なるデザイン要素が用いられている。

 特に、BMWのセダンはすべて、ウエストラインがリアピラーの根本ではね上がる「ホフマイスター・キンク」と呼ばれる独自のデザインを採用しているのだが、i Vision Dynamicsにはこれがなく、新しいデザインの方向性を示そうという意思が感じられる。

 i Vision Dynamicsが競合車種と想定しているのは、米テスラの高級セダンEV「モデルS」だろう。i Vision Dynamicsの車体サイズは全長 4804mm×全幅1933mm、ホイールベース2993mmで、モデルSの全長4979mm×全幅1950mm、ホイールベース2960mmに近く、スタイリッシュなデザインや、高い動力性能などもモデルSを意識していることは明白だ。ダイムラーも、2019年にモデルSと競合する4ドア高級EVセダンを商品化すると言われており、テスラとドイツの高級車メーカーの間で高級EVセダンを巡る争いが激化しそうだ。

 今回はドイツ大手3社の電動化の動きを中心にお伝えしたが、次回は自動運転と、ドイツメーカー以外の動きについてお伝えしたい。

自動運転で自動車産業は、周辺産業はどう変わるのか?
連載コラム「クルマのうんテク」の著者が予測する将来像

 自動運転は、単にクルマの運転をラクする、安全にするためのものではありません。それは自動車産業のあり方を根本から変え、さらには周辺産業の姿を大きく変えるインパクトを秘めています。

 「自動運転で伸びる業界 消える業界」(マイナビ出版)は、当コラムの著者である技術ジャーナリストの鶴原吉郎氏が、自動運転がもたらす変化の「本質」や、それがもたらす自動車産業の構造変化や、周辺産業への影響、主要プレーヤーの最新動向、そして自動運転を成立させている技術について分かりやすく解説しています。ぜひ書店でご確認ください。