室内の広さは、前席スペースが十分に確保されているのはもちろんのこと、後席も足を投げ出せるほど、というほどではないものの、きちんと腰掛ければ足元スペース、ヘッドスペースとも不足はない。405L確保された荷室スペースとあいまって大人4人の移動なら快適にこなせるだろう。

十分な動力性能

 早速走り出してみる。アクセルを踏み込んでみると、気になっていた動力性能にはまったく不足がないことが分かる。確かに、大きく踏み込んだときの加速力は「シートバックに背中が押し付けられる」というほどではないが、交通の流れに沿って走るには十分だし、高速道路での合流や追い越しなどでも加速力の不足を感じる場面はなかった。

 もう一つ気になっていた3気筒エンジンの騒音・振動だが、こちらもまったく問題ない。黙って乗せられれば、誰も3気筒だとは気づかないだろうし、分かって乗っていても、それを感じ取るのは至難の業だ。以前にプジョーやBMWの3気筒エンジン搭載車に乗ったときにも感じたことだが、もはや現代の3気筒エンジンにネガティブな要素はないと言っていいだろう。

 しかもこのエンジンの利点は燃費性能が優れることだ。今回の試乗では、高速道路で21.6km/L、一般道路で13.9km/L(いずれも燃費計の読み)という良好な値を示した。高速道路は首都高速道路での走行が主で、平均速度が70~80km/hと低かったせいもあるだろうし、一般道路も都心よりはやや郊外の、流れの良い交通環境だったので、どちらも条件が良かったのだろうが、一般的な使い方でも13~15km/L程度の燃費は期待してもいいのではないかと思った。

 車体剛性や乗り心地に関しても、運転しているとBセグメント車だということを忘れさせる水準にある。乗り心地は硬めで、以前のこのコラムで取り上げたVWのCセグメントSUV「ティグアン」のしっとりとしたソフトなセッティングとはテイストが異なるが、段差などを乗り越えたときの衝撃は、角がよく丸められており、高いボディ剛性と相まって、不快さはない。

 SUVは背が高いため重心も高く、乗り心地と操縦安定性のバランスを取るのがセダンやハッチバック車よりも難しい。こうした中で、Q2の乗り心地は快適性を損なわない範囲で、重厚さよりも軽快さとスポーティさを狙ったもので、このクルマのキャラクターに合った味付けだと思った。

 このように、様々な面でBセグメントの枠を超える性能や質感を備えたQ2だが、その価格もイメージを超える。1.0Lエンジンを積むベーシックなグレードは299万円と、300万円以下の戦略的な値付けになっているのだが、試乗車はLEDヘッドランプなどが装備された上級グレードで、これにナビゲーションシステムなどのオプション装備を加えていくと、簡単に400万円を超える。プレミアムブランドのアウディ車とはいえ、これはVWの2クラス上のセダンである「パサート」の中間グレードを上回る価格で、Bセグメント車の価格と考えると、ちょっと考えてしまうユーザーも多いかもしれない。

 この点で、同じBセグメントでVWブランドから今後発売が予定されるBセグメントの新型SUVのT-Rocがどの程度の価格設定になるのかは気になるところだ。日本市場への導入は2018年になる見通しだが、庶民としてはBセグメントらしい価格設定を期待してしまう。

■変更履歴
記事中、Q3についての説明に誤りがありました。お詫びして訂正致します。本文は修正済みです。 [2017/09/14 06:00]

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