ハッチバックはもっとその傾向が強く、全長は4520mmと、先代ハッチバックより235mmも長くなっている。最近は欧州でもCセグメント車の車体が大型化しているが、欧州メーカーの競合車種に比べてもこの全長は長めだ。例えば欧州Cセグメントの代表的な車種であるフォルクスワーゲン「ゴルフ」の全長は4265mmである。松本氏も「開発中は大きくなりすぎたのではないかと少し心配した」というが、一足先に発売されている欧州でも特に大きすぎるという声は聞かれないという。今回のシビックからは、米国でもハッチバックを販売するようになり、この点でも車体の大型化は必要だったのだろう。

 ただし車体は大型化しても、車体重量はむしろ軽くなっている。先代のセダンとの比較で新型シビックの車体骨格は、ねじり剛性を25%高めたうえで、22kg軽量化したという。車体後部にセダン、ハッチバックとも環状の骨格構造を採用したほか、フロア構造を強化したのが奏功しているようだ。フロア構造の強化によって、質量のかさむ制振材料を使わなくても振動が抑えられるようになり、軽量化にも貢献している。

新型シビック(セダン)の車体骨格。22kg軽量化しながらねじり剛性を25%高めた(写真:ホンダ)
新型シビック(セダン)の車体骨格。22kg軽量化しながらねじり剛性を25%高めた(写真:ホンダ)

国内はターボエンジンのみ

 国内仕様のシビックは、セダン、ハッチバックとも既にミニバンの「ステップワゴン」などに搭載している排気量1.5Lの直噴ターボエンジンにCVT(無段変速)を組み合わせている(Type-Rは2.0Lターボに6速手動変速機の組み合わせ)。ホンダによれば、この1.5Lターボエンジンは自然吸気の2.4Lエンジン並みの動力性能を発揮するということで、1.3Lエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせていた先々代の国内仕様に比べると、走りという面では大幅に向上しているはずだ。

 ただし海外では、例えば北米市場向けには廉価グレード向けに、2.0Lの自然吸気エンジンがあるし、欧州には排気量1.0L・直列3気筒の直噴ターボエンジンや、排気量1.6Lのターボディーゼルエンジンが用意されている。ディーゼルはともかく、1.0L・3気筒のターボエンジン搭載車には乗ってみたい気がした。残念ながら新型シビックは限られた時間に、Type-Rを短いコースで乗ってみただけなのでまだ評価は下せないが、普段使いにもぜんぜん問題ないほどの良好な乗り心地と高いボディ剛性が印象的だった。

 国内のCセグメント車は長らく欧州の競合車種に比べて乗り心地や車体剛性、操縦安定性、室内の質感などの面で見劣りする状況が続いてきた。それがこのところ、マツダ「アクセラ」、スバル「インプレッサ」など欧州車と比肩しうるクルマが増えてきている。新型シビックは公道上でどんな走りを見せるのか。期待して試乗の機会を待ちたい。

■訂正履歴
本文中、〔韓国Hyundai Motors社の「Elentra」〕としていましたが〔韓国Hyundai Motors社の「Elantra」〕の誤りでした。また、「1.8Lエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせていた」としていましたが「1.3Lエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせていた」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/8/29 21:00]

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