センターピラーレスで荷物の出し入れしやすく

 N-VANの2番めの常識破りであるセンターピラーレスの構造は、この助手席スペースにまで広がるフラットな荷室を最大限活用するために生まれた。長尺の荷物を後ろのテールゲートだけから出し入れするのは大変だし、車両の後方に長いものを引っ張り出すだけのスペースを確保できないこともある。車道の路肩にクルマを停め、そばを他のクルマが行き交う中で、クルマの後方から荷物を取り出すのは、危険を伴う作業でもある。

 これに対し、車両の歩道側にも大きな開口部があれば、長尺ものの荷物も取り出しやすいし、車両の後方にスペースが必要ない。さらに歩道側で作業ができるので安全でもある。長尺ものでなくても、例えば宅配業者なら2人の作業者が二つの開口部から同時に荷物を取り出せるので、作業の効率が上がる。

 荷物の出し入れだけがセンターピラーレス構造の利点ではない。大きな開口部を持つことを利用して、移動店舗に使うときには大きな開口部で品物を並べやすく、見せやすくできるし、ネイルサロンなどに使うときにも顧客が車内に乗り込みやすい。さらに、個人が趣味で使う場合には、バイクを積み込みやすいなどの利点もある。車中泊に使う場合にも出入りがしやすいだろう。つまり、助手席がフラットに折り畳める構造と組み合わせることで、初めてセンターピラーレスの構造に大きなメリットが生まれたわけだ。逆にいえば、助手席がフラットにならない乗用車系の車種では採用してもメリットは小さいという考え方だ。

広い開口部は、移動店舗(上)に活用するのにも、車中泊(下)での使い勝手を高めるのにも役に立つ
広い開口部は、移動店舗(上)に活用するのにも、車中泊(下)での使い勝手を高めるのにも役に立つ

普通の感覚で運転できる

 筆者が今回借り出したのは、最もベーシックなグレードである「G」の6速MT車だ。かつてのサンバーを運転して楽しかった記憶がついMT車を選ばせてしまった。走り出してまず気づいたのは、当たり前だがN-VANは4サイクルエンジンだから2サイクルエンジンのサンバーとは走らせ方が違うということだ。N-VANのエンジンは低速からトルクを発生するから、高回転まで引っ張ってもあまり意味がない。早め早めにシフトアップするのがスムーズに運転するコツだ。時速60km以上では6速が十分使えるから、極端にいえば時速が10km上がるごとにシフトアップするイメージである。