一方で、両車の間で大きな差がつくのが室内や荷室のスペースだ。フィットのほうが、全長が150mm長い〔フィット3990mm(今回の試乗車はバンパー形状がベース車と異なり、4045mmと55mm長い)に対してスイフト3840mm〕ので、横並びの比較はフェアではないのだが、スイフトハイブリッドの室内長1910mmに対して、フィットハイブリッドの室内長は1935mmと25mm長い。実際には数値以上にフィットのほうが広く感じる。特に後席の足元スペースには歴然とした差がある。ただ、スイフトハイブリッドでも大人2人が乗るのに不足があるわけではなく、足元スペースは十分に確保されている。

スイフトハイブリッド(左)とフィットハイブリッド(右)の後席足元スペースの比較。どちらも運転席を筆者のドライビングポジションに合わせた場合だ。
スイフトハイブリッド(左)とフィットハイブリッド(右)の後席足元スペースの比較。どちらも運転席を筆者のドライビングポジションに合わせた場合だ。
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 また荷室の比較では、スイフトハイブリッドは荷室の床下に高電圧バッテリーを積むため、ベース車よりも荷室の床が高くなっており、容量も265Lから178Lに減っている。これに対してフィットハイブリッドは、やはりベース車よりは少ないのだが、それでも314Lあり、数値の上では2倍近い。室内スペースや荷室スペースを重視する向きにはフィットだろう。

スイフトハイブリッド(左)とフィットハイブリッド(右)の荷室の比較
スイフトハイブリッド(左)とフィットハイブリッド(右)の荷室の比較
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燃費はスイフトが予想以上に健闘

 最後に燃費について触れておこう。今回の試乗コースは静岡県の裾野~御殿場周辺だったのだが、郊外の空いた一般道のほぼ同じコースを走った結果は、どちらも燃費計の読みで、スイフトハイブリッドが26.8km/L、フィットハイブリッドが24.3km/Lとなった。スズキには失礼ながら、スイフトはモーター出力も電池の容量もフィットの半分以下なので、燃費向上効果も限定的だろうと思っていたから、この結果はちょっと意外だった。誤差を考慮しても、一般道においてスイフトハイブリッドはフィットハイブリッドと同等以上の燃費性能を備えていると思う。

 一方で高速燃費は、100km/h程度で巡航した場合、どちらも22km/L程度だった。ただ、フィットが120km/h程度まで速度を上げてもさほど燃費が悪化しないのに対して、スイフトは速度を上げると燃費の悪化が顕著で、120km/h程度の巡航だと20km/Lを割る傾向だった。これは、フィットハイブリッドのDCTが7速なので100km/h巡航時のエンジン回転数が2000rpm程度に抑えられているのに対して、スイフトのAGSは5速なので変速比の幅が狭く、100km/h巡航でも2500rpm、120km/hだと3000rpm程度エンジンを回さなければならなくなるのが効いているようだ。将来的にはAGSの多段化が期待される。

 このように、同じBセグメントのハイブリッド車でも、フィットとスイフトにはキャラクターに大きな差がある。同様に、アクセルペダルで加速から停止までコントロールできる日産のノートe-POWERや、車高が低くスポーティな走りを提供するトヨタのアクアなど、それぞれの個性は異なっており、ユーザーから見ると、今回のスイフトハイブリッドの登場は、選択肢の幅をさらに広げたといえそうだ。

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ウェビナー開催、「なぜ世界はEVを選ぶのか」(全2回)

 日経ビジネスLIVEでは2人の専門家が世界のEV事情を解説するウェビナーシリーズ(全2回)を開催します。

 9月30日(金)19時からの第1回のテーマは「2035年、世界の新車6割がEVに 日本が『後進国』にならない条件」。10月14日(金)19時からの第2回のテーマは「欧州電池スタートアップのCTOが現地報告、巨大市場争奪の最前線」です。各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。


■第1回:9月30日(金)19:00~20:00(予定)
テーマ:2035年、世界の新車6割がEVに 日本が「後進国」にならない条件
講師:ボストン コンサルティング グループ(BCG)マネージング・ディレクター&パートナー滝澤琢氏

■第2回:10月14日(金)19:00~20:00(予定)
テーマ:欧州電池スタートアップのCTOが現地報告、巨大市場争奪の最前線
講師:フレイル・バッテリー(ノルウェー)CTO(最高技術責任者)川口竜太氏


会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
主催:日経ビジネス
受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。

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