欧州では今後急速にCO2の排出量規制の強化が進むのをにらみ、独フォルクスワーゲン(VW)は2025年までにEVの販売台数を100万台まで増やすと発表しているし、独ダイムラーも同じく2025年までにEVの販売比率を最大25%にまで増やす方針だ。これまでEVの人気が低かった米国でも、テスラが低価格の新型車「モデル3」を2017年に発売すると発表し、予約の開始から約3週間で約40万台の受注が殺到するほどの人気を得ている。これはテスラの年間販売台数(2016年)の5倍以上に当たる数だ。このように、中欧米という世界の3大市場で、EVやPHVの人気が盛り上がる機運が出ているのだ。

 世界で初めての量産EV「リーフ」を発売している日産自動車を除けば、国内大手ではトヨタ自動車とホンダが、ZEVとしてはFCVに力を入れていた。しかし、FCVは燃料補給インフラの整備が進まず、今後世界で普及させることが難しいことが次第にはっきりしてきた。ホンダの今回の発表は、事実上の方針転換といえるだろう。

EVの専用プラットフォームを投入

 特に注目されるのが、ことし秋のモーターショーで披露する予定のEV専用車だ。秋のモーターショーというのは、恐らく東京モーターショーのことだと思われるが、EVに対する関心が高まっている欧州向けに、9月に開催されるフランクフルトモーターショーにも出展するという可能性は捨てきれない。もっといえば、最近環境モーターショーとしての色彩を強めているロサンゼルスモーターショー(12月開催)に出展する可能性もあるだろう。EV開発室ができてから、まだ1年経っていないことを考えれば、これらのモーターショーで披露されるモデルが市販モデルとは考えにくく、恐らく方向性を示すコンセプト車になると思われる。

 もっとも、こうしたEV専用車の発表はこれからなので、今回のイベントで試乗できた電動車両は、「クラリティ3兄弟」である。これは、単一のプラットフォームで、FCV、EV、PHVの3種類の電動車両を実現した世界初の車種で、それぞれの名称は「クラリティ フューエルセル」「クラリティ エレクトリック」「クラリティ プラグインハイブリッド」である。このうち現在、FCVがリース販売されており、EVも8月からリース販売を開始するほか、PHVも年内には商品化される見込みだ。

 それぞれ短時間の試乗ができたのだが、中でも一番走らせて楽しかったのはEVモデルだった。EVらしさを感じられるように、アクセルペダルを踏み込んだときの加速が一番鋭くなるように設定しているというのだが、その効果は確かに感じられた。

勢揃いした「クラリティ3兄弟」。手前からFCV、EV、PHEV。
勢揃いした「クラリティ3兄弟」。手前からFCV、EV、PHEV。

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