快適な乗り心地

 先ほども触れたように、今回試乗したのはT5 R-Design 1st Editionという限定モデルで、20インチタイヤを履き、最高出力が185kW、最大トルク350Nmを発生する高出力仕様のエンジンを搭載する4輪駆動のスポーツ仕様だ。V90で硬めの乗り心地を経験したこともあり、ちょっと覚悟して乗り込んだのだが、いざ走り出してみるとその乗り心地は意外なほど良好で、20インチタイヤを履いていることを忘れさせるほどだった。最高出力が140kWで前輪駆動仕様のベーシックグレードは17インチタイヤが標準になるから、乗り心地はさらに期待できるだろう。

 車体重量は1690kgだから、コンパクトSUVといっても決して軽くはないが、最高出力185kWのエンジンは、この車体を軽々と走らせる。最近のターボエンジンの例に漏れず、ターボラグは最小限なので、出力が足りないと思わされる場面は皆無といっていいはずだ。

 V90の車体剛性があまりにも印象的だったので、XC40でも期待してしまったのだが、結論からいえば、V90のような、まるで分厚い鉄板でできた金庫のような車体剛性には及ばない。もちろん必要十分ではあるが、このセグメントの競合他車と比べて同等というところだろう。良好な乗り心地と、ある意味相反する点ではあるのだが、ステアリングを切ってから車両が向きを変え始めるまでの遅れは多少感じられ、R-Designというスポーツグレードであるにもかかわらず、それほど機敏な印象はなかった。

 XC40の競合車種は、フォルクスワーゲンの「ティグアン」、独BMWの「X1」、マツダの「CX-5」など数多いが、この3車種の中でいうと足回りのセッティングはX1が一番スポーティで、その代わり乗り心地がある程度犠牲になっている。そしてその次がCX-5で、ティグアンが最も快適よりのセッティングだったのだが、XC40は、このティグアンとCX-5の間くらいという印象だった。

 結論として、ボルボの最新SUVであり、初めての小型SUVでもあるXC40は、競合車種の多い激戦区にあって、快適な乗り心地や高い動力性能、遊び心を感じさせるインテリアで、独自の存在感を放っていると感じた。今後、新世代プラットフォームのCMAを使ってハッチバック車の「V40」や小型セダンの「S40」も登場してくるはずで、これらの出来にも期待が持てそうだ。