燃費は優秀だが…

 さて、ヴィッツハイブリッドの肝心の走りはどうか。車体剛性の向上やダンパーの改良などをうたっていることもあり、かなり期待して乗り込んだのだが、結果からいえば、従来のこのクラスの標準から大きく逸脱するものではない。試乗したのは「HYBRID Jewela」という最上級グレードで、今回の部分改良で新設定された赤茶色系の内装色「マルサラ」を採用したタイプだ。

新設定された内装色「マルサラ」を採用した内装
新設定された内装色「マルサラ」を採用した内装

 まず一般道路を走り出すと、乗り心地の印象は硬めで、道路の凹凸を忠実に伝えてくる感じだ。溶接点を増やすことで向上させたという車体剛性だが、路面から伝わった振動の伝え方は、まだ「車体剛性が高い」と感じさせるレベルには達していない。設計年次がかなり違うので、横並びの比較が酷なのを承知でいえば、乗り心地や車体剛性の高さという点では、最新のプラットフォームを採用したスズキの新型「スイフト」(このコラムの第77回参照)のほうが確実に上だ。

 高速道路に連れ出すと、一般道よりも印象は好転する。硬めの乗り心地は速度領域を上げていっても安心感があるし、ステアリングを切り込んでいったときの車体の反応も遅れが少なく、車両をコントロールしやすい。硬めだった乗り心地も、比較的気にならなくなってくる。先に触れたように、ヴィッツハイブリッドは、欧州ではヤリスハイブリッドとして以前から設定されているが、ヴィッツハイブリッドも欧州的な、比較的速度の速い領域での乗り心地や走行性能を重視して足回りをセッティングしているのかもしれない。

 動力性能は、出力の大きいモーターを搭載しているので、アクセルを踏み込めばもちろん必要十分な加速力を得られるのだが、アクセルを浅く踏み込んだ領域での加速は燃費を重視しているためか控えめだ。走行モードをエコモードに設定すると、それが顕著になるが、ノーマルモードでも傾向は変わらない。アクセルを踏むと、すっと前に出る新型スイフトに比べると、街中を走っているときの軽快感は劣る。これには、スイフトに比べると100kg以上重い車両重量も影響しているだろう。ただし、さすがに燃費性能は優秀で、一般道と高速道路を半々ぐらい走ったときの燃費は、燃費計の読みで22.5km/Lだった。

 ヴィッツハイブリッドは外観的にはリフレッシュされ、車体や足回りにも改良の手が入っているものの、全体として見れば、すでに発売から6年を経過したクルマの部分改良であり、最新型車と比べれば古さは否めない。TNGAを採用した次期ヴィッツは1~2年後に登場するといわれており、抜本的な改良はそれまで待たなくてはならないだろう。

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 9月30日(金)19時からの第1回のテーマは「2035年、世界の新車6割がEVに 日本が『後進国』にならない条件」。10月14日(金)19時からの第2回のテーマは「欧州電池スタートアップのCTOが現地報告、巨大市場争奪の最前線」です。各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。


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