今回はそのMLBが、進化型のMLBエボに世代交代したわけだ。新型A4の特徴の1つは最大120kgに及ぶ軽量化だが、新型プラットフォームはその実現に相当貢献している。使っている技術としては、「ホットプレス材」をフロア周りに多用しているのが目立つ。ホットプレス材というのは、鋼板を加熱したあとで、水冷した金型でプレス成形したもので、急冷されるため、焼き入れするような効果があり、高強度の部品を得ることができるのが特徴だ。ホットプレス材をフロア周りに多く使うのは、VWのMQBにも見られる手法である。

新型A4の車体を構成する材料の種類。灰色の部分は通常のプレス成形した鋼板、紫の部分がホットプレス材、赤い部分がアルミ合金の鋳造品、青い部分がアルミ合金の押し出し材、緑の部分がアルミのプレス成形品である

 通常の高張力鋼板は、強度が高いためプレス成形が難しいのだが、ホットプレス材は材料を加熱して軟化させるため成形しやすく、また通常の高張力鋼板の強度が最大980MPa程度なのに対して、ホットプレス材では1500~1800MPaと、1.5~1.8倍の強度を得ることができる。欧州車では広く普及している技術だが、成形コストが高くつくため、日本車では普及が遅れている技術だ。また、フロントのサスペンション周りや、形状の複雑なフロントのストラットタワー(サスペンションのばねの荷重を受ける部分)にはアルミニウム合金製部品を多用している。

ダウンサイジングはもう終わり?

 新型A4で注目されるもう1つのポイントは、新開発の2.0Lエンジンである。VWグループは、燃費向上技術として、エンジンの排気量を縮小して燃費を向上させ、それで低下した出力はターボチャージャーなどの過給機を装着することで補う「ダウンサイジング」で先鞭をつけたメーカーである。例えば、1.8Lの無過給エンジンを1.2Lのターボエンジンで置き換えるといったダウンサイジングを推進してきた。そのVWグループの一員であるアウディが、今回のA4の新型エンジンでは「ライトサイジング」という新たなコンセプトを打ち出した。

新開発の2.0Liエンジン。ダウンサイジングではなく「ライトサイジング」という新たなコンセプトを打ち出した