今回のバージョン7.0で追加される新たな機能としては(1)高速道路と自動車専用道路で自動運転が可能な「オートパイロット」、(2)ウインカーを出せば自動的に車線を変更する「オートレーンチェンジ」、(3)縦列駐車に対応した自動駐車機能「オートパーク」などがある。いずれも日本で初めて国土交通省の承認を受けて、公道での利用が可能となったものだ。

 驚くのはこれらの機能を、前後に6個ずつ配置した合計12個の超音波センサー、車体前方に搭載したミリ波レーダー、フロントウインドー上部、バックミラーの裏側に配置されたカメラだけで実現していることだ。

 まずオートパイロットだが、この機能を利用するには、クルマが車線を認識していることが前提になる。車線の認識には、フロントウインドー上部のカメラを使う。メーターパネルは液晶で、中央には自分の車両のイラストが表示されている。自分の車両が車線を認識すると、メーターの中の自分の車両の前に、左右の車線がはっきりと表示され、メーターパネル上部のデジタル式の速度表示の右側に、ステアリングのイラストが灰色で表示される。

テスラ「モデルS」のメーターパネル。中央下に自分の車両が表示されており、その前方に車線が表示されたら、自動運転が可能になる。自動運転中は、上部の速度表示の右のステアリングのイラストと、左側の設定速度の表示が青色に変わる(写真は米国仕様のもの、写真提供:テスラモータ―ズ)
テスラ「モデルS」のメーターパネル。中央下に自分の車両が表示されており、その前方に車線が表示されたら、自動運転が可能になる。自動運転中は、上部の速度表示の右のステアリングのイラストと、左側の設定速度の表示が青色に変わる(写真は米国仕様のもの、写真提供:テスラモータ―ズ)
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 この状態で、ステアリングの左側、ウインカーレバーの下に設置されている自動運転機能操作用のレバーを2回手前に引くと、自動運転モードに変わり、ステアリングのイラストは青色に表示が変わる。速度表示の左側には設定した速度が表示されており、自動運転機能の操作用レバーを上下に操作すると、設定速度を変更できる。先ほども述べたように、テスラは手放し運転をしないように求めているが、ステアリングのイラストが青色になっているときは、ステアリングは自動的に動作し、手を離しても走行できる。ブレーキを踏んだり、ステアリングを少し左右のどちらかに切ったりすると、オートパイロット機能は解除される。

 次のオートレーンチェンジは、オートパイロットの実行時に、ウインカーで右折、または左折の操作をすると、自動車の周囲360度の状況を超音波センサーで確認し、クルマが自動的にステアリングを操作し車線を変更するというもの。この機能、米国ではウインカーレバーを操作するだけで、ステアリングに手を触れていなくても動作するのだが、国内ではステアリングに手を添えている必要がある。また、隣の車線が混雑している場合など、自動でレーンチェンジができなかったときには、ウインカーを戻せば、オートレーンチェンジ機能は解除される。

 そして、最後のオートパーク機能だが、道路を低速で走行中に、停止している自動車と自動車の間に駐車可能なスペースを見つけるとメーターパネルに「P」と表示される。その後、ディスプレイ上に表示される開始ボタンに触れると、自動的に駐車を開始するというものだ。

暴力的な加速力

 ではさっそくクルマに乗り込んで、実際に自動運転機能を体験してみよう。が、その前にモデルSというのがどんなクルマか、ざっと紹介しておく。ご存知の読者も多いと思うが、テスラ・モーターズは、シリコンバレーの実業家であるイーロン・マスク氏が2003年に立ち上げたEVベンチャーで、モデルSは、2008年に発売した2人乗りEVスポーツカー「ロードスター」に次ぐ同社で2番目のEVで、2008年に発売した。国内では2013年に発売された。

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