週4日勤務だと、昇進昇格が遅れる?

 一方職場では、週4日勤務の人ばかりワークライフバランスを実現していて「不公平だ」という声も上がる。子育て中の女性社員に、上司がラクな仕事を与えがちだという問題もある。このあたりは、日本企業の短時間勤務で抱える課題とまったく同じである。

 ところで冒頭のアクサグループのカースティさんは今、決断を迫られている。世界各国にいる部下のために休みの水曜も夜中も、何かあればすぐに対応できるようにと携帯電話を手放さない。それでも、これから昇進を望むならフルタイム勤務でないと難しいと感じているのだ。「理想としては子育てのためにも週4日勤務を続けたい」、でも「責任ある立場なのでそうも言っていられない」と気持ちは揺れ動いている。

「週4日勤務は全ての社員のためもの」と話すアクサグループ・人事部門マネジャーのマーク・フェントンさん

 同社人事部門マネジャーのマーク・フェントンさんは、「週4日勤務は、女性のための制度ではない。全ての社員のためもの」として、いま社員に対する啓蒙活動に力を入れている。例えば、スイス法人では男性役員や管理職が、子育てや音楽活動のために週4日勤務をする例もある。親の介護のため、また自分の人生を豊かにするためにも使える制度だとして、2年ほど前から好事例をCMのような動画にして社内でアピールしているという。

 ロレアルもまた、子育てに限らず短時間勤務を認めている。人事本部のディレクター、エマニュエル・リーヴルモンさんは子供はいないが「人生のバランスをとるため」、毎週金曜は休みとしている。またダノンでは、短時間勤務については、会社との交渉次第。子供が4人いる人事部門ディレクターのアレキサンドリア・ジョルベさんの場合、3人目を出産してからは週3日勤務とし、現在は週4.5日勤務としている。それにより「キャリアで遅れを取ったとは思わない」という。

 週4日勤務のまま昇進する事例はあるものの、一般的には昇進昇格は少し遅れをとる。「スピードが緩やかになったとしても、キャリアは断絶しない。週4日勤務を続ければフルタイム勤務に戻りやすい。これが大きなポイントだ」とエアバス・ヘリコプターズ・ジャパン人事総務部長で在日フランス人女性の会の会長エルン・ブルゲールさんは両立支援につながる意義を語る。